【題名】
櫻風
【歌詞】
神楽の時節も 何時しか終えて
凍解の朝 鮮やかな日よ
梅の花散りゃ 彼岸も過ぎて
硬い蕾が 綻んで行く
君の去った日は 乱れ咲きの下
荒ぶ風 今宵の如く
櫻舞う夜 彼の夜の契り 今も褪せず
君もあの空を 眺めているなら
な絶えそ風よ 薄紅 乗せてなぞり 遊ぶ
涙を隠して 月の潜むまでは
ひとつ、ふたつと 齢を数えて
春夏秋冬… また春が来る
人も景色さえ 移ろうけれども
私の気持ちは変わらないまま
君の去った日の 悲しみの味を覚えている
今宵の如く
櫻舞う夜 望月 あの日と同じ色
君もあの空に 耳澄ますなら
な絶えそ風よ 風音 雲劈く程に
嗚咽を掻き消て 朝の来るまでは
君の呉れた 暖かさが
この季節を 成すのならば
私の描く 淡い恋が
この花弁 染めるのだろう
涙はらはら 泣いている姿 月が見たら
君に噂して 笑うだろうか?
櫻ひらひら 風に乗り 空に舞い 躍る
私の心も 飛べるだろうか?
櫻舞う夜 彼の夜の契り 今も褪せず
君もあの空を 眺めているなら
な絶えそ風よ 薄紅 乗せてなぞり 遊ぶ
涙を隠して 月の潜むまでは
さくら
【読みと注意とお節介】
さくらかぜ
≪Aメロ-1≫
かぐらのじせつも いつしかおえて
いてとけのあさ あざやかなひよ
うめのはなちりゃ ひがんもすぎて
かたいつぼみが ほころんでゆく
≪Bメロ-1≫
きみのさったひは みだれざきのもと
すさぶかぜ こよいのごとく
≪サビ-1≫
さくらまうよる かのよのちぎり いまも あせず
きみもあのそらを ながめている(発音時は「いる」→「る」)なら
なたえそかぜよ うすあか のせてなぞり あそぶ
なみだをかくして つきのひそむまでは
≪Aメロ-2≫
ひとつ、ふたつと よわいをかぞえて
しゅんかしゅうとう… またはるがくる
ひともけしきさえ うつろうけれど
わたしのきもちは かわらないまま
≪Bメロ-2≫
きみのさったひの かなしみのあじを おぼえている(発音時は「いる」→「る」) こよいのごとく
≪サビ-2≫
さくらまうよる もちづき あのひとおなじいろ
きみもあのそらに みみすますなら
なたえそかぜよ かざおと くもつんざくほどに
おえつをかきけて(×「かきけして」) あしたのくるまでは
≪Cメロ≫
きみのくれた あたたかさが
このきせつを なすのならば
わたしのかく あわいこいが
このはなびら そめるのだろう
≪サビ-3≫
なみだはらはら ないている(発音時は「いる」→「る」)すがた つきがみたら
きみにうわさして わらうだろうか?
さくらひらひら かぜにのり そらにまい おどる
わたしのこころも とべるだろうか?
≪サビ-4≫
さくらまうよる かのよのちぎり いまも あせず
きみもあのそらを ながめている(発音時は「いる」→「る」)なら
なたえそかぜよ うすあか のせてなぞり あそぶ
なみだをかくして つきのひそむまでは
さくら
櫻風
歌詞を募集していらっしゃるネイル様の楽曲(http://piapro.jp/t/C2Od)に歌詞を付けました。
ずっと昔にいなくなってしまった「君」との別れの夜のような、満月で櫻の花弁が散るような吹きすさぶ風の日に、
泣いている「私」の姿を、夜を明るく照らす満月に見られて「君」に告げ口されて笑われてしまうのではないか…と心配して、
風と櫻の花弁に、姿を隠して、声を掻き消して欲しいという歌詞です。
表現としては、
・飾らない歌詞
これはこの曲に限らず、自分がこれから歌詞を作るにおいてずっとそうしていきたいこと…ですが。
・時間の経過の表現
1番なら「神楽(12月の季語)」→「凍解(2月の季語)」→「梅(2月の季語)」→「彼岸(3月の季語」→「櫻」という冬から春への流れ、
2番なら春夏秋冬,そして重なる齢という一年いちねんの経過
といった表現を入れました。
・対の表現
Cメロの「君」「私」の対比です。
パッと浮かんだものですが。
・古文表現
「な絶えそ風よ」は「な~そ」で「~してくれるな」という丁寧な命令なので、「どうか風よ、止まってくれるな」という歌詞にしました。
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