深海に落ちていくイメージ。どんどん孤独になっていく。消えていく。この身も朽ちていく。
わずかな光しか見えなくて。もうそれも見えなくなっていく。幾億年もの時の流れをただゆっくりと誰にも気づかれずに落ちていく。あの日見たあなたは何だったのか、それさえももう記憶の隅にわずかに残るだけで、それが本当だったのか、夢だったのかさえもうわからなくなっている。
水圧が上がってきて、私は押しつぶされていく。でも不思議と痛みは感じない。ただ無の何かになっていくことだけが分かるの。
水温がゆっくりと下がっていく。私の体温はもうほとんどなくなっているの。胸の奥の奥に僅かに残る何かが記憶なのか、ただのエラーなのかなのかさえ分からない。感覚がなくなって肉体を持っていた感覚さえ忘れかけている。
いくら涙を流しても、深海の中では誰も気づいてはくれなかった。いくら叫んでも声にはならなかった。

あの日のあなたは誰?あの日の記憶は何?あの日の、あの日の…

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

海の詩〜星雪~の原案

海の詩~星雪~の歌詞の原案。
深海に落ちていく少女。
近未来のAIを持ったロボットが、捨てられて、深海に落ちていくイメージで書いた文章。

閲覧数:89

投稿日:2015/11/03 21:35:53

文字数:415文字

カテゴリ:その他

オススメ作品

クリップボードにコピーしました