「ご主人様! 遊びましょう! 遊園地! メアリーと遊園地行きましょう!」
「さっそく他曲のネタ持ち込むのやめようか?!」
「何を言ってますかターラッター」
「確信犯だこいつ……」
「あっはっは。面白いですねえご主人様! 契約書は絶対破り捨てさせませんよ?」
「もういいよ好きにして……」

 少年は、今ディスプレイと会話をしている。ただの馬鹿などではない。
 ディスプレイの中にはひとりの少女が映っていた。
 名前は――エネ。なんで少年が知っているのかは別でもある。だが、実際知った理由は彼女自身がそう名乗ったってのもある。
 さて、少年は自分の状況を考えた。今日は何かあっただろうか? 壁に掛けられたカレンダーには大きく丸印――おまけにその下には『作戦会議』とも書かれている――がつけられていた。

「うぉあっ!! 今日作戦会議じゃん!!」
「なんですかそれ? 金髪のヒールが笑っちゃうんですか?」
「シリーズ内の小ネタ持ち込まない! まだあなた会ってない設定だよ!?」
「だって暇なんですもんー」

 というわけで少年はこの長い間、現実からほぼ遠ざかっていた。
 夢の消えた毎日というものは、繰り返したってどうにもならない。
 彼にだって、それは解っていたのだった。

「用意しなくちゃ……!」
「おりょ? ご主人様、仕事ですか?」
「ああ。そうだよ、作戦会議だ」そう言って少年はフード付きのパーカーを着た。
「私も連れてってくださいよー暇なんですよー」
「あー、わかったわかった。とりあえずはいれ」

 そう言って少年が取り出したのはスマートフォンだ。前は彼もちょくちょく使っていたらしいのだが、今はエネの外出用カーゴとなっている。
 それを見るやいなや、エネはそれに吸い込まれていった。そして、待受画面に彼女が映し出された。

「さあ、行きましょう、ご主人様!」
「お前張り切ってるな……」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

カゲロウプロジェクト 22話【二次創作】

「目を背ける話」。恐らくもうすぐファーストシーズン?最終回。

―この小説について―

この小説は以下の曲を原作としています。


カゲロウプロジェクト……http://www.nicovideo.jp/mylist/30497131

原作:じん(自然の敵P)様

『人造エネミー』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm13628080 
『メカクシコード』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm14595248
『カゲロウデイズ』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm15751190
『ヘッドフォンアクター』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm16429826
『想像フォレスト』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm16846374
『コノハの世界事情』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm17397763 
『エネの電脳紀行』
『透明アンサー』
『如月アテンション』http://www.nicovideo.jp/watch/sm17930619
ほか

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閲覧数:570

投稿日:2012/06/11 22:29:35

文字数:800文字

カテゴリ:小説

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