弓を張った月に云えば許してもらえるでしょうか
すこしだけ手を休めて 余り物を分けてくれるでしょうか
悲しみを知らん顔で捨てていった あの最初も
口を切って 零れ落ちた 言葉の意味も

雨は空模様に きらめく傘
遠ざかっていく日毎を 君は閉じ込めた
夜は街外れ 明かりは人知れず
それでも眠らずに指折り 何度目の

弛まず続く流れに溺れてく
足掻けど息は出来ず苦しいのに
どうして喉は渇き痛むのでしょう
悴む光すべて受け止めたなら癒えるでしょうか

過ぎていった刹那ならば 埋もれたって構わないと
砂時計はからりからり 降り注ぐ ためらいに隠されていく
悲しみも何もないと 震わすその口唇が
白を切って築き上げた 世界の数は

空のさみしぐれに ざわめく泡沫
置いていくはずの日毎 君は抱きしめた
まるでひとりごと 朝なら蚊帳の外
寝転んだ横目に 手折るはいくつめの

遣らずと続く雨滴も濡らせない
閉ざした硝子 振り切る術はない
乾いて枯れた砂時計はいつか
佇むだけの過去に追いつける足を持つでしょうか

告げなかった別れならば 続きだってありはしないと
分かりきった過ちでも この部屋に帰ることはない だけど
哀しみは忘れたよと 呟いた君の目から
堰を切って 溢れ出した 雫の意味は

すれ違うだけのこのお話にも出口はまだあるのでしょうか
止まない音色と止んでいく雨と やけに綺麗な月の下

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

【コラボ】 C'est la 

※前のページに読みと解説があります。


Last/L(曲:http://piapro.jp/content/046ith2litri6vp6、歌詞:http://piapro.jp/content/cbe3xda1668i4a58)で歌詞採用、コラボさせて頂いた煎茶さんとのコラボ歌詞です。
Last/Lと一緒に聞いて頂けると面白いかと思います。曲も、歌詞も。

シラー
「時の歩みは三重である。
 未来はためらいつつ近付き、
 現在は矢のように過ぎ去り、
 過去は永久に静かに立っている。」

五分ごとにオルゴールの螺旋を巻き、世界をひとつ作り上げる「君」、
降りしきる雨にも、時の粒にも意を介さず閉じこもる「君」、
そして「君」も、「あの」君もそれは哀しくないと、言うけれど。

散りばめるのが好きです。
隠喩、対応、大好きです。
回収を他の方に任せる傾向にあります。
パズル的に楽しんで頂けたら。よろしくお願いします。

閲覧数:556

投稿日:2010/04/14 00:02:05

文字数:595文字

カテゴリ:歌詞

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