不意の刹那散った火花
無為の頁繰っていった
詠人知らずの歌さえ魅惑的な撒き餌

惚れた腫れた騒がしいと
凍て付く眼も解けていった
辱めにも似た心地説明不能の煩悩

縺れた糸に火を点けて
心根の在処暴く

電光石火で貫く此の胸を容易くも只
愛を象った稲妻
急転直下も跳ね除け其の胸に今すぐに
光の速さで爪痕残す恋の霹靂よ

地を這う星群がって
逢瀬の度貪った
邪色満ちる月は雲の向こうで嗤う

他所は他所と決め込んだ
仮面さえも穢れた
所謂いろはを度外視蠢き出す本能

火傷が爛れ疼く程
声色も甘く苦く

電光石火で焦がれて此の身ごと燃え盛る炎
秘めた花園に稲妻
空前絶後も逆手に其の身ごと其の愛を
痺れる侭に喰らい尽くす夜

電光石火の末路が此の胸を過ぎる程今
暗雲切り裂く稲妻
問答無用の雷雨に打たれては震えては只
乱し乱される心と躰

電光石火で貫く此の胸を容易くも只
愛を象った稲妻
急転直下も跳ね除け其の胸に今すぐに
光の速さで爪痕残す恋の霹靂よ