二重の指を潜る

もう彼は来ない 夜が切り取る空
明日は二人の日だ

そっとつける水面 片方だけの靴
滑らせることば

指が行く手を阻むんだ
黄色い目をした羊の中に キミが潜んでいる

手紙を受け取った 白い便箋に
綺麗な文字だった 涙が出るようだ
鳥が飛んでいた空に吸い込まれていった
死を待っている 死を待っている

じんわりと進むんだ 影みたいに
月が背けた闇に そっと浸した声みたいに

指と一緒に踊るんだ
たくさん飾ったステージの上 壊して笑うんだ

風が全て持っていってしまった
風が全て持っていってしまった
繰り返す 海を見ている
声だけが残っていた 声だけは残っていた

呟く声が風を巻いていた

手紙を焚き上げた 白い灰を吸った
あの綺麗な字の 断片が見えた
鳥も飛んでいない空に燃え尽きていった
救いを待っている 救いを待っている

そうは思っていない あの羊はただの羊だ
君の声で喋るんだ 僕の名前を呼ぶんだ
その呆けた目で僕を見ている 煤けた心が見えるようだ
蹄を割ってやりたい 毛を全て毟りたい
全部見た後に 緩やかに朽ちたい
そこで世界が消滅すればいい
この指を潜って あの白い世界に行ければいい

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  • 非営利目的に限ります

二重の指を潜る

二重の指を潜って

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投稿日:2017/08/12 21:58:52

文字数:512文字

カテゴリ:歌詞

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