【これは彼の昔のお話】





人一人は、


大切な人を失い、


涙を流す。





そして、


「また…君に会いたい」


と呟いた。










【コノハの世界事情】この夢は、終わらない【自己解釈】









意味と、夢と、命を集めて作られてしまったこの身体は、終わった命を蒸し返す機械らしいようで。





科学者は“君”に似ているという“少女”を造り出した。
しかし、“少女”は「喋るだけの玩具」と酷評し、“少女”を捨てた。
今、“少女”が何をしているかなんて、僕は知りたいとも思うことはないだろう。


科学者は次に、ハリボテの町を使って終末実験をした。
結果は、予想通りグダグダ過ぎた。
その時点で諦めたほうがいいって、いってあげたのに。





そして、次の二人は、


『バッ』


とある町の隙間で、


『キキキキィィィィ』


水色の─────


『　　　　　』


─────夢を見てた。





『ドンッ』





期待ハズレの車線の先で、小さな少年の身体はまた飛び散った。
血飛沫の色は、少女の潤んでいく瞳と、少年の軋む体と乱反射する。


『いやああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！』


そして泣き叫ぶ少女を、目醒めない僕は見ていた。
僕は、科学者が“あの実験”と“この実験”をする理由を思い出す。


───『絶望』…か───


その時、秒針は進みだすのを止める。
血飛沫も飛び散ず、少女の涙も乾いた地面を濡らすこともなく。
次第に、世界もろとも眩みだそうとする。





───この夢は、終わらない。───













***













意味と、夢と、事態を合わせてただただ考えていく頭。
そして気づいたんだ。わかってしまったんだ。


───「この世界は、どうやら少しヤバイらしい」と。





【これは彼と彼女のお話】


作られてしまったこの心では、二人に言葉さえも届かない。





枯れる太陽の音が二人を包む。
蒸せる炎天下の目が二人を睨む。
しかし二人はそんなこと知らない。これから起こりうる悲劇も。


夏バテした世間にはじき出された様な感覚。



その時、少女はいきなり走り出す。
目的は───「自分が死ぬこと」。そうすれば少年が助かると思っている。
しかし、それは“間違い”にすぎないのだ。


それに──────少年も、そう思い上がっている。





蝉の声が鳴り響き始める。これが、『死』の合図。
×××建設の鉄柱が落下していく。





僕は手を伸ばす。
だけどユラユラ揺れる、透けた身体じゃ─────


『　　』


─────伸ばした手も届かない。





『ぐちゃぁ』





期待ハズレの視界の先で、秒針はふざけて立ち止まった。
少年が踏み潰される未来を、反対車線で涙を流したまま動くことができない少女と僕は見ていた。





機械仕掛けの世界を抜けて、木の葉の落ちる未来の風景へと……君の目で、見なくてはいけない。
毎日、あの時間にパンザマストが流れ、嗤う日差しはどこかに消えて、8月は何度でも過ぎ去って、「また来年だね」と笑いあう。


───そんな未来なら？


科学者達の期待ハズレの世界の隙間で、予想外れの雨が降ってきた。


その時に。


その時に─────────────













───。うろだるれた打が符止終、にsyadのこ───













だけど。


例え、未来が書き換わっていても。










あの目は─────────────。













*************













実験が成功しなくて、あせっている男。





『絶望』に呑み込まれ、目を閉じる少女。





綺麗な瞳をした、小さなメカクシ団。





大切な人を失い、赤い瞳から透明な涙を流す少女。





これから再び起きる悲劇を知らない、少年少女。





教室で独り、静かに涙を流す少女。





ハリボテの町で、無邪気に笑う少女。





そして─────────────


























───いならわ終、は夢のこ───