突き刺した
ナイフから
伝わる感触が
あまりにも
現実味を
帯びていすぎたせい
不覚にも
刃を持つ手
ぶるぶる震えてる
べったり付いた
白色の
クリームを舐め取る

手を合わせ
挨拶をする
ショートケーキを
いただきます
切ったケーキ
フォークを刺して
優雅に食べてみる

ホール　丸々食べた後には
全て　何もかも君のことを
忘れ　去っていられればいいのに
甘い　ケーキがなぜかしょっぱいよ

やけ食いとか
そんな語が
多分お似合いだよ
好きに言ってろ
そんなことを
考えられるほど
冷静には
なれないよ
だってそんなまさかさ
君に彼氏
いたなんて
全然知らなかった

半分は
もう食べ終わった
ショートケーキを
見下ろし思う
いっそのこと
強引に君
奪ってしまおうかな

駄目だ　そんなことしたとしても
君を　幸せには出来ないや
君の　幸福を願ってるから
涙　なんて拭い去らなきゃ

次の恋
探せばいいさ
友達は言う
だけどそんなに
簡単に
恋の痛みを
忘れられるんですか

ホール　丸々食べた後には
全て　何もかも君のことを
忘れ　去るつもりだから今は
苦い　思い出に浸ってもいい？


(ひらがな)

つきさした
ないふから
つたわるかんしょくが
あまりにも
げんじつみを
おびていすぎたせい
ふかくにも
はをもつて
ぶるぶるふるえてる
べったりついた
しろいろの
くりーむをなめとる

てをあわせ
あいさつをする
しょーとけーきを
いただきます
きったけーき
ふぉーくをさして
ゆうがにたべてみる

ほーる　まるまるたべたあとには
すべて　なにもかもきみのことを
わすれ　さっていられればいいのに
あまい　けーきがなぜかしょっぱいよ

やけぐいとか
そんなごが
たぶんおにあいだよ
すきにいってろ
そんなことを
かんがえられるほど
れいせいには
なれないよ
だってそんなまさかさ
きみにかれし
いたなんて
ぜんぜんしらなかった

はんぶんは
もうたべおわった
しょーとけーきを
みおろしおもう
いっそのこと
ごういんにきみ
うばってしまおうかな

だめだ　そんなことしたとしても
きみを　しあわせにはできないや
きみの　こうふくをねがってるから
なみだ　なんてぬぐいさらなきゃ

つぎのこい
さがせばいいさ
ともだちはいう
だけどそんなに
かんたんに
こいのいたみを
わすれられるんですか

ほーる　まるまるたべたあとには
すべて　なにもかもきみのことを
わすれ　さるつもりだからいまは
にがい　おもいでにひたってもいい？