それは、真冬の寒い日だった。
北風が 狙っている、かのように
身を、吹き付ける中

ゲームを しながら
バスを 待っていて……

…ふいに 停留所へ

バス一台が、ようやく
停まった……。


自分一人だけしか
乗っていない、バスで

妙に静かすぎて、いて
どこか、気味が悪い…。

一番、前に いる
運転手さんは

黙って 一言も
話して
当然のように、来ない。

こうしていると…
どこかにでも

連れて行かれる
かのようだ。


長い間 時間を 経て

「次は、〇〇〇 。
お降の方は
お知らせ願います」

自分の手で
合図のボタンを 押す…。

(…ふぅ。やっと
着いた )

そう 思ったはずの
合図のボタンが?

スイッチは…!
壊れているのか

幾らか、押しても
全く鳴らずに

どの、合図のボタンも
音さえしない……。
不信に

感じて、 運転手さんに
言葉を 発したが

運転手 さんは
相変わらず……。
ずっと、 黙った、 ままだった。

いくら 、なんでも 、酷すぎる。

いきなり、怒鳴り出すと
運転手さんは

こっちを、……向いて
顔を 不気味に、ニヤつかせた。


一体? 何を?考えて、いるのかさえ

解らない。

バスだけが、急に
加速した……。



「…!」


不思議に、 感じて
景色を 覗くと

見知らぬ 場所 で、アナウンス だけが
響く。


「ご乗車 ありがとう

ございます……。」



「さっきから 降りるって言ってるだろ!」



「次は 、……終点
崖 前…

ガケマェ で ございます」



……崖? そんな、バス停は
知らない……。


バスは 何の、 ためらいも

なしに、 本当の 崖を
目指して、 突っ込んでいった。



救急車の、 サイレンが
辺りに、 鳴り響く。


…しかし、 あ …のあと、バスは
跡形もなく

まるで、 消えたかのように、
見つからなかった と、 言うことを
死んだあとに
気づかされたのだった。



ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

停まらない バス



ホラーな 短編集
深夜に どうぞ……。



閲覧数:101

投稿日:2013/11/06 05:31:21

文字数:856文字

カテゴリ:小説

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