今日はクリスマスの日。

街は星のようにキラキラ輝くライトで照らされて綺麗で、鈴やそれらしい聞き慣れた音楽も流れて、つい乗ってしまう。
それでいて至る所に赤の暖かい格好をしたサンタさんは嬉しそうに大忙し。ちっちゃい子もケーキとか貰えて嬉しそうで、それを見る親もまた嬉しそう。
見ているだけでポカポカだ。
しかし、奇妙なことに、中には黒い格好をしたサンタさんもいた。
外見は違うがやっていることは赤いサンタさんとほとんど同じ。ホント、外見が違うだけ。
けれど、知っているだろうか。赤いサンタさんと違って黒いサンタさんはとても怖い奴だと言うことを。

近頃、そんな色だけしか違わないような黒いサンタがある事件と大きく関わっているとか風の噂で聞いたことがある。
といっても単なる風の噂で、実際悪いことをした様子をみた訳でもないから本当かどうかは分からない。

「すいませーん、このケーキ下さい。」

「はーい。ん?おっ!?おめでとうございま~す!!」

突然、その黒いサンタさんのとこで普通に売られているケーキを一つ頼むと、ハンドベルを軽やかに鳴らした。

「お客様は一万人目にケーキを買って下さったので、これはその記念品です♪どうぞ♪」

そうケーキと一緒に可愛くデコられた黒い小箱を渡された。
小箱にしては少し重みがあったが、よくある小さめの置き物とかだろうと思って特に気にしなかった。
家路まで着いた時に、ふとその中身が気になって開けてみた。
すると中にあったのは黒い雪玉。それも何だか生臭い臭いがむぁっ、と鼻にきた。思わず鼻を押さえてそれを遠ざけた。

「・・・見事に真っ黒。」

期待していた分何だかがっかりした。というかどうしよう。
周りに誰もいないことをちょっと確認してから、小箱は持ったまんま、黒い雪玉だけを道端に投げ捨てた。
だが地面に当たった瞬間、黒い煙が少女を包み込むように広がって視界が悪くなり、見えなくなってしまった。臭いもさっきより酷い。
驚きでたじろいでしまっているとその後ろから誰かに口と鼻をハンカチで覆われてしまった。抵抗して暴れても、眠りを催促する液体でも染み込ませていたのか、そのまま気を失ってしまった。

その翌日。現場でその少女をたまたま目撃していた新聞記者がそれを取り上げて新聞の小さい部分に書き現したのが多くの家々に配られた。
とある万屋の少年もその記事に目を通していた。一瞬の間であったが、すぐに撮れたのであろうどうにか少女の顔が映っているその写真に少年の目は釘付けになった。

「・・・・。何か、思い出せそうだ。」

頭をおさえながら外で立ち読みをしていた少年。
そんなちょっとしたことはまるで関係ないかのように明るく照らす太陽は早朝だからか、本来の暖かさを全く持たずに昇ってきたのであった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

赤サンタ&黒サンタ

クリスマスの日に何でもいいから投稿したかったんですっ!
だからかなり短いです!
しかも続くかも分かりません。
いろいろすいません;;

ボカロ一同から一言。
「メリークリスマァァァアス!!!」
気合い入れての言葉でした~。

お相手してくれた方に感謝。

閲覧数:119

投稿日:2009/12/25 23:02:57

文字数:1,170文字

カテゴリ:小説

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  • なっ

    なっ

    ご意見・ご感想

    すごくミステリアスなお話ですね!!
    続きが気になります…

    2009/12/26 14:33:41

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