螺旋の灯火 物陰に隠して
吊るした白銀(しろがね)暗幕彩る

注いだ黒雲 濁された器に
散らした水玉 川面に飛んで波立つ

眠れ眠れ 海へ寝息立てて
冠の飾りを燻らせて掴めば
ひらりひらり 夜着の生地を纏って
浮かんでは消える幻となる

きっときっと出会えはしない
袖に覆われ 遮られる目の前
荒れていた髪に証をつけた
その姿はどこかに消えた

凍えた大気に星一つ尾を引く
古びた凧糸 力なく切れた

開いた手のひら寄せ合って繋げば
誰かと一つに結ばれていられるかな

ふわりふわり 降りて傘を開く
交わらない線の床(とこ)に足伸ばして
するりするり 落ちてしまわぬように
水晶の粉 若葉縁取る

暗い小部屋 人気(ひとけ)さえない
明かり探した 脆い指が凍てついた
削れた硝子手先を裂いて
滑るように滴り落ちた

きっときっと出会いはしない
明かり灯せば凪とともに漂って
再び幕が下りる頃まで
澄み切った空を駆け巡ろう

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

夜色の水晶

閲覧数:90

投稿日:2012/06/29 22:44:35

文字数:410文字

カテゴリ:歌詞

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