「うん、やっぱし、うまいね。兄ちゃんのカレーは」
ナンにカレーとソーセージをはさんだ、“ナンカレー・ドッグ”をモグモグして、たこるかちゃんは言う。
「ちょっ、兄ちゃんて...」
ちょっとふくれながらも、ソラくんはうれしそうだ。
たこるかちゃんと、ツナちゃんが乗りこむ、移動式カフェ「ドナドナ号」。
ソラくんのカレーを取り入れて、新しいメニューを出すことになった。
たこるかちゃんのすすめが通り、カフェのフランチャイズ、
モトヤ・エクスプレスがOKを出して、オリジナル・メニューができた。
●ナン・カレードッグが登場!
きょうは、音楽のイベント会場にいくドナドナ号。
出発の前、味のチェックをしに、ソラくんが来ていた。
「ツナちゃんの料理は、上手ですね」
ソラくんも、カレードッグをかじりながら、うなずく。
「そうですか、どうも...」
白いネコの帽子をかぶった、小柄なツナちゃんは、うつむいて赤くなった。
「さぁ、兄ちゃんのオッケーも出たし、そろそろ行くよ!」
たこるかちゃんは、ツナちゃんをうながして、ドナドナ号に乗り込んだ。
「行ってらっしゃい!」
手を振って、ソラくんが見送る。
●芝生の公園で、野外のライブ!
彼女たちが乗りつけたのは、“野外音楽フェスティバル”。
都会の広い公園、芝生の広場で、
何組かのアーティストが、ライブ・コンサートを行うのだ。
「いいお天気ね」
「そうですね」
広場の一角のドナドナ号で、ツナちゃんと、
様子を見に来た、カフェ・つんでれのモモちゃんが、おしゃべりをしていた。
「あ、あの人」
ツナちゃんの声が震える。
むこうから、こちらに、男の子が歩いてくる。
「どうしたの、ツナちゃん」
モモちゃんがたずねる。
「あの人、この前、ここで買ったハンカチを、返品した人なんです」
男の子は、2人の前で止まると、手を出した。
「その、ナンカレー・ドッグくれる?」
彼は、ツナちゃんが差しだしたドッグを、無言のままぼそっと食べる。
●これ食べれば、元気が出そう。
「...うまいじゃん」
彼は、ニッと笑った。
「これ、あと2本くれる?」
そういって、芝生の向こうを指さした。
「今日は、僕たちのバンドが演奏するんで。これ食べれば、元気出そう。ちなみに僕はキーボード、よかったら聴きに来てよ」
彼は、ぼそっとそういうと、代金を払って去って行った。
ぼんやりと、その姿を見ているツナちゃん。
モモちゃんは、にっこり笑って言った。
「ツナちゃん、彼の演奏、聴いてきなよ。しばらく、私がかわりに、たこるかちゃんの手伝いするから」
ツナちゃんはニコッとして、
白いネコの帽子を、モモちゃんに渡すと、
芝生の方にぱたぱたと走って行った。(ノ*゜ー゜)
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