ジャコウネズミ/DAIGO-Pの投稿作品一覧
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他人の所為に出来ない閉塞感
言葉の切れ味は忘却の彼方に
雲を掴む様に真綿を斬る様に
ゲシュタルト崩壊した言葉が
詰まった内臓脂肪を搾り出す
文字数を合わせた四角い言葉
喜びも怒りも捨て去った後に
残された煉瓦を積み重ねても
自己満足すら得られないのに
威力を信じないまま放つ虚空...四角い言葉
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日毎の労苦
詞・曲 伊藤龍樹
1.
日毎の労苦 得る物なく
ガリラヤの湖 魚見えねど
沖に出でよと 我を召して
すなどる網を 取らせ(持たせ)たまえ
(ルカ5:1-11)
2.
煽る(悪しき)言葉の 吹きすさびて...日毎の労苦
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まっすぐ伸びる滑走路のその先に
慰霊碑を建てよう
教会を建てよう
爆撃機の離陸を阻止する平和の祈り
叫ぶだけの抗議なんて捨てちまえ
上に政策あれば下に対策あり
瓦礫を拾う生活
瓦礫を喰らい瓦礫に棲む
バリケードこそ我らの櫓
築き上げたら休憩...建てる
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殺気立つ観衆をMCがどこまでも煽って
IA様と僕がリングに立つ
正面切ってぶつかる視線は対消滅の炎を上げる
ゴングと同時に畳み掛けるラッシュ
ボディ、フック、ストレートがいとも容易くガードを突き破る
コロッセオに立つ牛以下でも
みんな人間がやられるほうが燃えるんだね
総立ちのアリーナは
SMのチンケ...KAITO解体ショー
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板付き暗転で幕が上がる
死体役
動いたら負け
俺の代わりは幾らでもいる
客が帰って監督の指示が飛ぶ
俺に対する指示はない
むしろあったら終わりだ
ここでも俺は死んでいる
大部屋でドーランを落とす
落ちているのか?...端役
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っぽだよ■ものが書けないときはそのままパソコンの前
にじっと坐ってみよう。機械の出す電波が体に影響する
というじゃないか。頭の中が少しおかしくなって何か書
けるかもしれない■23:54着■僕より僕の存在を証
明する「はんこ」って僕は好きだな。はんこだけ残して
僕は消える■最近、テレビのリモコンをどう...帰りは救急車にのって
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晴れわたった空に突き立つ一本の棒
先端でくるくる回る風速計の四枚の羽根
理科室の窓際には
太陽の光の粒子を受けてゆっくり回る真空瓶の四枚の羽根
天空の風をいっぱいに受けて回る羽根に幸あれ
プランクの微風を受けて回る真空瓶の羽根にさらに大いなる幸あれ
風
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思い出せば 短いような気がする ここで学んだ時間
いま思えば 足りないような気がする これから先の用意
当たり前に感じていた かけがえのない人たちと
何となしに過ごしてきた 心に一抹の不安
だから今 共に固く手と手を結ぼう 別れる前にもう一度
固い絆を さあ結び合おう 両手は繋がるためにあるのだから...翼は羽ばたくために
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女の残していったきつ過ぎる香水
ペアリングの片割れ
掠め取ったマイクロSDのコピー
通話先の失せたWillcom
無心の形に取ったビスクドール
お返事することのない年賀状
携帯口で見送った最期の声
葬送の曲を振った指揮棒の感触
蒸し返して得の無い過去ログ
捨てアカウント一覧...余り物の家
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俺は今、どんな形をしているか
タイルの目地の黴の人生
降り掛かる漂白剤に負けるものかと
深く深く根を伸ばした
原形を留めない顔
罅割れに隙間なく伸ばした指先
失われた五感
鼓動だけが闇に鈍く谺する
足裏に就職した奴は幸せに暮らしているらしい
暖かく、湿って、餌にも困らないそうだ...黴の人生
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神様
わたしはあなたに重荷を背負わせています
あなたを信じて告白した時
あなたはわたしを高価で尊い者としてくださいました
「自分の十字架を負って」
修練の道はその後やってくるのですね
捨てたはずのわたしが今のわたしのくびきです
この陶片は陶工の手の釘痕を拡げるばかりです
人智を超えたあなたを小さくし...祈り