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街は 華やかな色で飾り立て どこか薄寒く
帰り道急ぐ隣人が ねずみの色に見え
重く横たえた体 何に疲れたと自問自答
笑う自分さえ灰の色 嗄れた声に泣く
凍て付く夜に 溺れようとも
瞼閉じれば まだ
山河 君はただ穏やかに
胸の深く眠る
山河 君を嗚呼 愛おしく
夢に追う...夢山河(仮)
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物語は窓辺から 爪先へしとど降る
君を生かせと 殺せと
耳元の声 ただ悦楽
泥炭の硯では 書き表せないと知る
君に話して聞かせる
語り部の声 また感傷
燦然と書き割りの陽
昂然と立ち上る火
――嗚呼
支配者の世界には 傲れる人こそ在る...窓辺の神(仮)
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一歩で踏み出す勇気を知って
二歩目はすんなりと出る
三歩でひとりぼっちになり
四歩のキミが待ってる
すげない言葉 風と吹く
身を守ってたらトゲだらけだ
触れていたいから怖くなるよ
だけどみんながそっとささやくんだ
「大丈夫だよ」
走れサボテン 焼けた砂をけり上げて...サボテンランナー
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小さい小さいときってね
大きいものを見てるんだ
大きく大きくなるってね
小さいものを見ちゃうんだ
お父さんのせなか
見ているように
お母さんがきみを
見ているように
ぼくもきみのまえにね
小さいころがあったんだ...大きくなったら
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旧く秘法を求め
奮う白衣の師達
未だ神秘来たらず
今や歴史の荼毘に
旧く君主に仕え
猛り死線へ向かう
未だ民は報わず
今や歴史の罵詈を
なお踏みしだくは誰そ彼と
喘ぐ悲境の骸 骸...荒野ヶ国