薮中 紫翔

「夢ハ何デスカ？」
腐った『オモチャ』が訊く
澄んだまなこの『ニンギョウ』は
ただ黙って時計の針が進むのを待つ
「テキトーに応えるのは反則だ。」
――暗黙の了解
嘘は必ずしも　ついてはイケナイのか。
難題をつきつけられれば
軋む脳みそを必死に動かして...

今日もおもちゃたちが　静かに動きだす
さびてきしむ音が　恐怖の声に変わっていく
それを楽しげに　見つめる娘がひとり
声をかけると　あやしく笑いだす
「大人」というおもちゃを　その娘はあやつってく
「子供」という立場は　永遠に使えないから
大きな黒ずんだ　大きな器の中
大きなおもちゃは　散って儚く消え...

[Ａ]
成長段階の私たちは　まだ幼くて
大人になりかけた
未熟な子供
そんな私が恋した
あの日の事でも語ろうか
[Ｂ]
友達はいない　１人で居ると楽
だから逃げていた
現実は甘くないと知った...

無邪気な　笑顔の裏に隠れてる　悪魔の笑顔が見える
くるくる　髪を結いあげたなら　クローゼットの戸を開く
地平線の向こうの水平線
ま新しいそうな世界の始まりが
まっ白い夢と心たち　背負って
月の掟の冒険は始まる
何もかもが　嫌になったら
全ての戸をあけて
シマリスや白ウサギは
何を言っているんだろう...

「凛々しい言葉　ふざけて聴こえる
そんな私は　イラナイ」
キミは笑って　手を伸ばしたくて
だからこそ僕は近寄った
隠しきれない過去が　あるから　僕は守っている
キミの手だけはきっと　握れないまま行くんだろうけど
真冬の中凍えて　震えて待つキミの所へ
もう他人事じゃないよ　だから僕の懐に来て
何年経っ...

どこかで誰かの　声が響いてる
見渡した先に　歌ってるキミ
キミに駆け寄って　はなしかけたいよ
けど僕はきっと　脚がすくむんだ
僕の気持ちと正反対で　体動いてくれないよ
キミは少しも見てくれないし　頬をつねって目を覚ます
すぐ近くにいる　かわいい天使は
特有の声で　気持ちをさらった
キミと話したい　で...

儚いキミ　いつ消えてもおかしくない心　そんな私ならば
「この身を捨てたって構わないようになった」と言う
キミは笑い飛ばした
メールは１年間来ない…まま
最後のメール　知らぬ曲
キミと私の思い出を歌ったような甘い恋の唄ね
わがままな私の愛(嗚呼　私の愛)
文字だけでは現わせないから
気づいたのは別れた...