アーリー

灯りの消えた空の下 歌う夜顔の残響
昨日の悪夢で見た 荊棘にまみれた貴方は今
長い睫毛を光らせて眠る 何かに怯える様にして 机の薔薇の花弁が散る頃
翼を広げ 窓から飛んでいく
鏡が割れて バラバラになった私が映り込む
刺さった破片に 甘い蜜が溶けて指を伝う 嗚呼
羽根を拾い上げて 口付け想うわ あの...

月は見えないけど 星屑が落ちてくる夜に
君と手を繋いで 街へ繰り出そう
おもちゃ屋さんにある リボンのテディベアは
こどもに抱かれながら 私にそっと手を振るよ
ららら二人笑いあって 歓喜の歌をほら歌おう
ららら クリスマスツリーも 皆を照らして輝くの
ららら天使が舞い降りて 大きな鐘の音が響く
らら...

5分前 朝のファンタジー
不機嫌な天気 私の心はどしゃぶり
きっと今日も 彼は来ないよ
お皿洗いながら 鼻歌歌う
コーヒーに溶かす砂糖と
悩みを全て飲み干して
少し前を向いたなら
今日も頑張れそうな気がする
もっと私に近付いて
素敵な夢見させてね...

いつもさがしているよ 日々の甘い部分
橋の上 きみがとなり 微笑んでいた
わたし 生クリームで 苺のきみを包む
ケーキ味の夏の日
貝殻を集めて リボンを褒められて
日記帳埋まって 残りの隙間を覗いたの
きみの部屋があった 緑がたくさんある
本棚の写真には わたしがいて目があった
いつもあたためてるよ...

夏の日差しに疲れて 川で休む
アクアマリン色の空　オパール色の水面
水草は笑い 魚は踊る
みすダンス みずダンス るるる
服が濡れるのも構わずに
みずダンス みずダンス るるるる
冷たくて 気持ちいい
持ってたサイダーはいつの間にか
ぬるくなってた
誰かの声が聞こえる...

おもちの中はあんこ
おもちの中はチョコレート
おもちの中はいちご
柔らかくてほっこりするね
おもちの中は白あん
おもちの中はカスタード
おもちの中はみかん
甘くてみんな大好きだよ
ああ めでたくて おもちが畳の上で転がっているよ
ああ めでたいから のびのびくつろいでるよ...

冬になって 花が枯れて
土の中で息を潜め
春になって 日が昇れば
あなたはまた芽吹くでしょう

星は生まれ愛こがれて
渇き
地図を描いて 鍵を開ける
果てへ
固く結んで置き去りになる
魂の形はぼろぼろで
追いかけることもしないまま
吸い込まれていく
ただ飛んで！ 飛んで！
そのままで...

鳴いた 鳴いた 何が鳴いた
鳴いた 鳴いた ヒトが鳴いた
魚は陸に上がり、鰓呼吸をやめた。
植物を食べ、肉を食べ、かつての自分達を食べて進化していった。
進化し損なった生き物の鈍色の視線が瞼の裏に焼き付いて、目覚めた。
廻るよ いのちいのち
（小さな体は）
あなたは私になった
（踏み潰されたよ）
夢...

ぽつり 目に落ちる雨粒
染み渡る 体中
蒸し暑くて 灰色の空気を呼吸
ぽつり 呟いた言葉は
雨音と同化して
地面を濡らし じっとり水分を補給
鮮やかピンクに紫青色に変わってく
花は陽の光を浴びて虹色に反射する
らーらん らんらんらんらん らーらん らんらんらんらん
らーらん らんらんらんらんらん...

ぐつぐつ 煮える音がする 燃える音がする
頭に響く轟音に 削られていく
ふらふら 歩いても戻される ずっと繰り返す
私の落とした記憶はみんな
穴の中 中 中 中 中
穴の中 中 中 中 中
穴の中 中 中 中 中
穴の中 中 中 中
何が起きてるかわからない
あなたの言葉がわからない...