亞炉

いつから気がついたの
いつまで覚えていられるの
いつかは知ってしまう
いつまでもはあり得ないと
目覚めた午前四時のこと
朝というにはまだ暗すぎて
ベランダ吸い込む息に
夜の空気がまだ混ざってる
今日も一日平和であれと願う大人たちと
今日は刺激で溢れますようにと願う僕たちは...

いつだって見てないふり 知らない方がいいかもね
そんなことあったかな？なんて覚えちゃいないクセにさ
「ごめんね」「また今度」の テンプレもそろそろ飽きてきた
「もう一度」「もう一度」って健気もいい加減にしなくちゃね
わたしも あなたも わたしだけ？
損（ウソ）は絶対に御免だわ
散り散りとんで...

心の中にしまった気持ち溜まりに溜まって
そうして気付いた 平凡な日常は窮屈なんだと
閉ざされた世界 「それがどうしたんだ」と
聞こえないふりして 思い込んでるんだよ
そう信じて
僕ら今こそサヨナラの代わりに
白銀（しらがね） 青空に撒き散らし
夢で終わることはない 思いを起動力に変換して
翔び立と...

ゴミ捨て場に積まれてる羽で翼を作ろう
夢中で埋もれていった　姿をただ見つめてた
捨てられた羽はもう元には戻れないこと
少しも知らない瞳　またひとつ色を失くす
無色白濁しきっている何もない雑踏
練り歩いていく君はどうかまだ色を手放さないで
錆びついて朽ちたパレットには残る色は何もない
消えて浮かんで浮...

降り続く雨の中ひとり立ち止まり
足元の水溜りを蹴った
揺らめいた水面に写る幼い日
面影は歪んで溶けてしまった
独りきり雨宿りの僕に
「いっしょに帰ろ」
誘った君の傘に飛び込んで
何も言わず黙ってた君が見つめる先に
割れた雲の隙間差し込み始めた光
君と僕とずっとふたりで見つめていた虹...