ヒサ16

どうせ報われない恋さ
ただ眺めてるだけのこの時間（とき）に
何の意味がありますか？
どうせ結ばれないのなら
いっそぶっ壊しちゃって
狂気に満ちた瞳でさ
アナタを恐怖に陥れましょ♪
暗いとこまで落ちてきな
明るい場所じゃ無知なまま
汚れたココはアタシの世界...

同じだろう？
この世界に生まれ落ちたのは区別するためじゃないって
同じだろう？
この世界で違う生き物になんかなりたくなかったのに
君はそれを望むんだね
言わないでほしかった
ずっとひとつでいたかった
違うんだ
この世界の真ん中で突然の別れ突き付けられて
違うんだ...

メロディ破壊（こわ）し
空の果てのよう　海の底のような場所（ところ）へ
破片（かけら）携えながら　浮いては沈む心――なんてありはしないのに
追い求めるの　無いもの強請り
時計の針のよう　正確に刻む鼓動はいらない
乱してほしい　途切れてもいい
錆びて朽ちること　そんな未来さえ望めない
抉じ開けた胸の中...

心が軋む音が響く
声にならない声で叫んで
僕の痛みを知ってほしい
痛覚を刺激され続けて
意識を保つことの許されない身体で
あとどのくらいここにいればいい
「逃げたい」と繰り返せば
ここじゃないどこかにイけますか？
誰もいない真っ暗な場所で
永遠に眠りたいよ...

心の奥深くで　もういない君に誓う
君は許してくれないかな
でも　それでいいんだ…
冷たい夜をたくさん越えて　届かない光は彷徨い続ける
星空には願えない　君に気付かれてしまうから
蝋燭に火を燈し　永遠の眠りに就けば
君を想起させる星だって　もう見えないよ
こんな言葉じゃダメなんだ
伝わらなくて　もどか...

砕け散った硝子の世界
破片に映るアナタの残像
背中の黒い翼を隠しながら生きてきたの
アナタの傍にいられるように
どうしたら寂しい夜を越えられるの？
どうしたら離れた距離を埋められるの？
全てを忘れることができるなら
アナタごと全て消し去ってしまおうか
なんて…
そんなことできるはずないけど...