三日後に死ぬ僕から
作詞:八白/作曲・編曲:でっち
使用VOCALOID:初音ミク
あなたが手紙を読む前に、僕は死んでいるでしょう
三日後 それは決して避けられない未来なのです
僕とてそれを望んでいるわけではありません
部屋の広さと 指の震えと 孤独を 嘘と呼べますか?
幾度となく書いた筈の字が上手く書けません
黒いインクが紫ににじんで
目に映るものをすべて叩き壊しても
ただ虚しさだけ募って
あと七十時間の人生を
どう使おうかと筆をとりました
伝えたいことが あるというわけではなく
突き動かされる通りに
「世界はこんなにも眩しくて
こんなに優しくて あたたかだった」
なんてくだらないことを書いては
丸めて捨てるのです
気付けば二日もの時間が過ぎてしまいました
僕は変わらず あなたに送る手紙を ずっと書いています
苛立っていた胸の内は不思議と穏やかで
ただ夢でも見ているかのようで
遠い空の下 あなたは今何を見て
何を思っているでしょう
あとたった二十四時間では
あなたの元には辿り着けなくて
それを寂しいと思うと同時に
僕はほっと胸を撫で下ろして
二度とあなたに会えないことに
安堵を覚えてしまったのです
あなたと会えば張り詰めた糸が
弛んでしまうから
耳が痛いほど密やかな午後の風が
カーテンをそっと揺らして
僕の世界があと数分で
消えてしまうなんて 信じられません
ただ気持ちの良い秋晴れの青い空が
目を閉じても眩し過ぎて
もし涙が流れたとすれば
きっとそのせいに違いないのです
僅かしか残されていなくとも
僕は生きるのです
何もかも失ってしまっても
僕は生きたのです
ご意見・ご感想
日枝学
使わせてもらいました
初めまして、日枝学と申します。
今回、突発的にこの曲をもとにした二次創作の短編小説(http://piapro.jp/t/yyYi)を書かせていただきました。
この曲、歌詞の中の「僕」の心情が、死が近づくのと共に、徐々に変化していく様が丁寧に歌われていて、良いと思います。良曲ありがとうございました!
2011/07/01 00:49:24
ぷひっ
ご意見・ご感想
DLさせていただきました。
感動する曲、歌詞を本当にありがとうございます。
これからもがんばってください。
2011/03/20 23:32:51
でっち
▼ぷひっ様
こちらこそ、この作品をお気に召してくださり光栄です。今後もマイペースで様々な事をテーマに楽曲を制作する予定ですので、気長にお待ちいただければ幸いです。
2011/03/21 22:32:21
もっ
使わせてもらいました
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9450253
↑の動画でこの曲とストキトデトスの二曲を使用させていただきました。
画質は残念なことになってますがorz
2010/01/23 18:04:08
でっち
▼もっ様
ありがとうございます。様々な作者様の楽曲と合わせて自分たちの楽曲を聴いてみると、VOCALOIDのエディット含めサウンドメイキングの勉強になりますね。
2010/01/23 20:06:23
花涙
ご意見・ご感想
DLさせていただきましました。
なんだか自分が生きていることがとても幸せなことだと実感しました。
いくら今生きているからといって明日、明後日生きているか分からないんですよね。
生について深く考えることができました、ありがとうございます。
乱文すみませんでした
2010/01/11 15:46:04
でっち
▼花涙様
僕も八白からこの歌詞を渡されてミクの歌を乗せたとき、ひどく胸がえぐられた気がします。のほほんと生きてきたことに対して大きな問いかけを下されたというのもあるのかな、と僕自身思ったりしています。
2010/01/12 07:17:46
でっち
その他
▼白執事様
ご丁寧にダウンロードの報告ならびにご感想をいただきましてありがとうございます。
病などであらかじめ余命が分かっている場合、怒り・もがき・諦めなどを経て、やがて素直に死を受け入れることができるよう、人の心は動くそうです。
ただ、いくら健康であっても誰もが常に死と隣り合わせであることには変わらない…僕は八白の詞を通して、そんな思いをあらためて認識させられています。
2009/10/17 19:21:11
でっち
その他
▼e_honda様
ありがとうございます。楽曲についてここまで深く考察していただけるとは、お互いに苦労した甲斐があったというものです。
ちなみに僕が歌詞を八白から渡された際には、「死は誰にでもいつ訪れるかは分からない…だから明日死ぬかのように生きよう」という気持ちを持ってミクのエディットに取り組みました。
2009/10/14 21:46:45
e_honda
ご意見・ご感想
はじめまして。
なんとも不思議な唄です。三日後の自分を『あなた』と呼び、読むべき人が世を去った人へ宛てた手紙。病魔に襲われたワケでも無く、まるである瞬間、死の鎌が振り下ろされるような雰囲気。
又は、『死』とは隠語であり、別のものを指しているのか? 例えば「失明」「自らの命よりも大切な人が去って心を失う日」、などなど・・・。
曲調は決して暗いものでは無く、唄の中で刻々と流れていく時間。周りの景色にはそんな予兆はどこにも無い。ただ『私だけが』世から消えていく運命を受け入れた。
この唄の裏には、「この手紙を読むまで、あなたは決して『本当の意味での死』を迎えることは無い。例え100年経とうとも。なぜなら、手紙は読むためにあるのだから」 と言っているようにも聞こえました・・・。
2009/10/13 23:16:10