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親作品(0)

「フェイクファー・レディ」の創作に利用した作品

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夜を舐りながら愛の技巧を覚えた
ひとの影が失せギニョールは佇む
今宵眠る場所は
伊勢佐木町が終わる辺りの
青と赤の糸が交差する回廊
ぬけがら埋めた公園に咲く花から
私を呼ぶ声 あのひと
虚空に夢描く
杭を深く刺され染まるまつごの想
一度だけでいいヘテロのからだで...

フェイクファー・レディ

こゆき

こゆき

知っていますか?
横浜の観光地、山下公園は、
関東大震災で壊れた大量の命の瓦礫で埋め立て、
平和を願う公園としてひらかれたんです。

戦後間もなくから10数年前まで、横浜には或るホームレスの
老婆がいました。
彼女は上級の兵士専門の高級娼婦だったと、噂では聞いています。

全身白いレースドレスを着て、真っ白に
顔を塗り、重そうな紙バッグを両手に持って、伊勢佐木町や
馬車道、黄金町あたりを歩いていました。

ある宝飾店の玄関先にあるベンチ、あるいは奥にあった化粧室で、
鶴が眠るように深く首と背中を曲げ、目をつむっていた彼女を、
私は何度も見かけました。ファストフードの店で隣に座ったこともあった。
声をかけようと思ったけど、最後まで、声がかけられなかった。

伝説の娼婦「メリーさん」。Web内コンテスト用があった時、
設定を少し変え、掌編テキストを書きました。
コンテストのテーマは「ライバル」。
この話では、一体だれとだれがライバルだったのでしょうか。

そして今回、VOCAJAZZ参加という縁を得て、
歌詞へ書き換えたのが本作です。

元テキスト:
http://homepage3.nifty.com/reticle/text3/11-league/texcon.html