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朝もやの中へと
漕ぎ出す船がある
はぐれた渡り鳥
力尽きて落ちる
目を閉じて 横たわる
翼は動かない
傷ついた鳥は もう
飛ぶことができない
海原はいつもと
変わりなく 輝く...海原
くる
歩き続けてた
何も見えずに
架かる 桟橋に
夜は更ける
何処へ帰るのか
人は知らずに
いくつの過ち
たどるだろう
痛む心 なだめて
すさぶ心 鎮めて...桟橋
くる
さよならの
丘に立ち
もう一度
始めてみよう
この街が
好きだから
背を向けずに
歩いてゆこう
繰り返す
悲しみは...さよならの丘
くる
夜空の中を
駆け抜けてゆく
叶わぬ夢も
あらゆる過去も
疲れた翼
心を閉じて
おやすみなさい
わたしの胸で
眠れよ 眠れ
よぞらのなかお...わたしの胸で
くる
夜明けの街を
寄り添い見てた
いくつの空を
憶えてるだろう
縮んだセーターも
栞の押し花も
二人で数えた日々も
愛の片割れ
群衆(ひと)の隙間で
季節外れの...愛の片割れ
くる
冬の花は月に散りて 君は夜に何を思う
黒く澄んだ夜空に響く鐘の音
薄氷(うすらい)の鏡には真円の月
流れなき水なれど澱みを知らず
光をよそに咲くは月影の花
静寂の中に満ちた欠片をひとつふたつ
指折り数える 記憶の眠る星たちに見立てて
冬の花は月に散りて 君は夜に何を思う
白いひとひら雪に混じり 水面...冬花散月
CHI-TA/arctan_P