sunflower
貴女と初めて出逢ったのは
暖かくなり始めた春の日で
貴女の綺麗な笑顔とそれに映える青の空
まだ小さい僕は 見上げて笑顔を返した
時間が流れて僕は
貴女の背を追い抜いた
今では貴女が僕を見上げているけど
変わらない笑顔をくれるから
僕は照れながら 笑顔を返した
その日の彼女は泣いていて
静かに僕の前で涙を流す
でも僕には貴女を慰める腕も言葉もなくて
ただ 見守ることしかできなくて
お願いだから どうか
その涙を止める術を
僕に与えて下さい
暑さがなくなる秋の日
それでも彼女は此処へ来る
寒くないですか
まだ、泣いているのですか
触れられなかった彼女の髪が 風にまかせてなびく
僕は何もできなくて
見守ることしかできなかったけど
死んで、また生まれてくるのなら
貴女に伝えたい言葉があるんだ
『大好きです』
夏に咲き誇った向日葵は 種を残して枯れてゆく
花びら1枚ひらりと落ちて
流せぬ涙を流していった