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久しぶりにメールが来た。
5年間会っていない友人からだ。
自分の知らない世界にいた彼女の姿を想像しようとして、懐かしい日々を思い出す。
幼かった僕たちは、狭い校庭を広く感じていた。
小さな教室を、大きく感じていた。
あんなに狭い世界だったのに、僕たちにはとても広くて大きくて、唯一だった。
数年ぶりに...路標
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ソファに背を預けて、文庫本を開いた。
『恥の多い生涯を送って来ました。』
その一文から始まる小説。忘れられない一文。
ページを捲っていくと、一枚、紙が落ちた。
昔、挟んでおいた栞。
一緒に様々な世界を旅してきた紙切れ。
どこかに行ってしまったと思っていたが、ここにあったのか。
それを拾って、少し見つ...文学少年