歌南さん

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どこにでもいそうな中2女子。

カゲプロ(特に鹿野修哉)(特に鹿野修哉)(特に鹿野修哉)(特に鹿野修哉)大好きです!!

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【小説化】夜咄ディセイブ【解釈】

「カノさんってさ…悪いけどあんまり正直者には見えないよね」 メカクシ団のアジト。 ある程度エアコンの効いた室内には、向かい合うように置かれた二つのソファ。 そのうちの1つに座っているモモは、低い声で小さく言った。 ――その言葉を聞き、向かいに座るモモの兄・シンタローは、神妙な顔つきで深く頷いた。 「だよな。行動とか発言からして陰湿な奴だと思――」 シンタローがまだ言い終わらないうちに、部屋の奥にある4つのドアのうちの1つが突如開いた。 「――キサラギちゃんにシンタロー君じゃない! 何のお話かな?」 「ひっ」 噂の本人の突然の登場に、シンタローはびくりと震えて声を上げる。 「まあ全部聞こえてたんだけどね…結構丸聞こえだよ?このドア」 ニコニコと笑いながら、カノはモモの隣に座る。 「まぁ…僕が正直者に見えないとか…しょうがないけど…?」 「…」 シンタローとモモは困惑した表情で、何も言えずにいる。 そんなことはお構いなしに、カノは続けた。 「――まぁ、嘘をつくのは得意なんだけどね」 「…そうなんですか?」 「――うん。本音はやっぱり、ちょっと苦手かな」 カノはぐっと背伸びをする。 「いつだって、ホントのハナシが一番嘘臭くってね」 その言葉の意味がよく理解できずに、モモとシンタローは顔を見合わせた。 「――じゃ、ちょっと話そっか」 「?――何の話、ですか?」 「僕のこと、話してあげるよ。…大丈夫、ネタ話だと思ってさ。一つだけ」 「どういうことだよ…?ネタ話って」 「なんかもう収まんないし…セトとマリーとキドが帰ってくるまでね」 カノの言うことのほとんどが理解できずに、二人はとたんに怪訝な顔つきになる。 そんなことにはなりふり構わず、彼は話し始めた。 「一言で言えば?変なとこ?かな。…まあ、悩みでもあるんだけどね」 「カノも悩むことなんてあるんだな」 「悩みない人間なんていないって。……あんまり詳しく覚えてないんだけど。…10歳くらいかな?怪物の声がしました。――さて!怪物は僕に何て言ったでしょう?」 ――カノの突然の出題に、二人は焦った。 だが彼は質問に答えてもらう気はないようで、そのまま話を続けた。 「――『嘘をつき続けろ』…怪物は僕にそう言いました。 それ以来、僕は嘘つきになってしまいました。  もう、騙せない物や人も無くなって、すっかり『怪物』に成り果ててしまいました」 ――訳の分からない話だったが、二人はなぜだか徐々に引き込まれていった。 でもそれと同時に、じわじわとわく彼への怯えのようなものを感じ始めていた。 「…ああ、この辺でマリーが泣いちゃったんだっけな… 怖がらなくていいのにさ。 大丈夫大丈夫、全部法螺話だから」 ――法螺話、だなんて言われても、今の話を聞いてしまったら、それすらも嘘に思えてしまう。 「――ひたすらに騙して、自分自身をも騙して、それを更に隠していく。…とんでもない醜態でした。 でも僕はそんな自分を偽り、そっぽを向いて、構わず嘘を重ね続けました。そうして、僕は不気味な自分を、どんどんどんどん、欺いていったのです」 まるで他人事かのように喋るその姿も、嘘なのか? 二人はだんだんと膨れ上がる疑問を、じっと押さえ込んで、話を聞いていた。 「その後僕は、泣いてしまいそうな、消えてしまいそうな、夜が嘘が嫌いそうな、とある少年少女に出会いました。 一見、僕なんかとはまったく逆の人たちに見えるでしょ?でも、違いました。なんと、僕らには共通点があったのです。ちゃちなものだけど、僕らは?理想?を持っていました。 それも、もう同じような――」 「…その『理想』って――」 遮るように訊いたモモの言葉を、更にカノが遮る。 「――法螺話だって言ってるじゃん、やだなぁ。そんな真に受けないでよ」 『法螺話』なのに『教えられない』。 二人はこの話に大きな矛盾点を感じていたが、口には出せないでいた。 「――出会って、僕らは気づきました。単純にこの『理想』が叶ったとしてみても、一人ぼっちじゃあこの世は生きていけません」 「……――カノ。……それも嘘なのか?」 シンタローは、今までずっと抑えていた疑問を、躊躇うようにではあるが口に出した。 一瞬、間が空く。 そのたった一瞬でさえも、二人にとってはだいぶ長いものに感じられた。 「……いやいや、何言ってるのシンタロー君? 勿論本心だよ」 そう言ってニコリと笑うカノを信じてもいいのか、二人は更に困惑した。 「僕は、この心を、我が儘を、この嘘を、もっと聴いてほしい、と思いました。なんてったって「寂しい」だとか言ったって、どうしようもない。 そう、僕は変わらないのです。だから、ありのままの自分を聴いてもらうしかない。まぁ結局、そんな自分にも呆れてるんですがね」 一体何がおかしいのか、カノはニヤリと笑ってみせた。 『法螺話』だとは言ったって、二人は、この話が全て嘘には到底思えなかった。 「『あぁ、僕は汚い! もう嫌いだ!』 僕は心の中で叫びました。もう、自分でも呆れてしまうような僕なんて、もうだめだ、取り返しがつかない、もう救えないんじゃないか――…そう思いました。君たちもそうだよ?…多少は変わるだろうけど、決定的な本質は、何をしたって変わらない。 結局人間、変われるもんじゃないんだよ。……そうして僕は、そんな不気味な自分自身に、常々、溺れていってしまうのでした」 ――二人は、彼が話している間、彼をじっと見ていた。 「どれが嘘?」――それを見抜こうと、努めて聞いていた。 でも結局、二人にはそんなことを見抜けるはずもなかった。 「…話はここで終わり。なんかちょっと喋りすぎちゃったね」 カノはヘラヘラと笑い、手を後頭部に回す。 「――まぁ、ただの『法螺話』だから、真に受けることないよ。どう理解するのは君たち次第。…じゃ、今日はここまでね」 「…今日は、ですか?」 「うん。次に合図が鳴ったら、もっと不思議なハナシをしてあげる」 ニコニコと笑いながら、カノはそう言った。 ――合図? また生まれた疑問は、勢いよく開いたドアの音にかき消されてしまった。 「――ただいま?、遅くなったっす!」 「あ、モモちゃん…!」 「夕飯作んないと…」 ――バタンと閉じたドアの向こうに『夜』が広がっていたのを、二人はなんとなく感じていた。 The end.....

歌南です。 じん(自然の敵P)さんの「夜咄ディセイブ」の解釈的なカゲプロ小説です...
投稿日時 : 2013/04/23 20:46

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