タグ「歴史」のついた投稿作品一覧(4)
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徳川の時代は終わる。
江戸の町では、そんな話題で持ちきりだった。
京の都の新撰組や朝廷、尊皇攘夷や倒幕派の出現。
徳川の敗北は確実なものになっていった。
人々も、時代の渦の勢いに、恐怖を覚えていた。
もちろん、廉達も例外ではなかった。
「・・・倒幕、か。徳川の世の幕引きも、時間の問題じゃな。」
日差...遠い君と恋の歌。(4
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「廉さん」
その声に目を開けると、襖の隙間からもれる朝日に目がくらむ。
静かに部屋に入ってきた凜は、優しく微笑んだ。
「おはようございます。」
ああそうだ、凜と一緒に住み始めたんだっけ・・・。
まだぼうっとする頭で記憶を探りながら、布団から立ち上がる。
「おはよう。」
「朝ご飯、出来ていますよ。顔を...遠い君と恋の歌。(3
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少女と少年が出逢って数日。
2人は毎日のように団子屋で会うようになった。
「そういえば、お名前を聞いてませんでしたね。」
ふと思い出したように少女が言う。
少年はにかっと笑いながら答えた。
「廉じゃ!まぁ、俺は母親が日本人じゃないらしくてな、本名はネミガ・廉・カーじゃけどな。お嬢さんはなんて名前だい...遠い君と恋の歌。(2
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遠い遠い昔。
そう、あれはずっとずっと前の出来事。
もう顔も思い出せないけれど、若い儂はある人と恋に落ちた。
どんな名前だったか、たしか・・・、凜。
そんな名前だった気がするな。
彼女は美しい人じゃった。
江戸一番、いや日本一といってもいいほどのべっぴんさんでな。
それはそれは男子にもてていたものよ...遠い君と恋の唄。(1