無題
濡れた街にネオンライト
煌く色踏む足元
消えたもの存在全て
もう見えない何ひとつ
静かに注がれて 揺れ動いた感情
考えに沈む宵の口
深く突き刺さるような鋭さと
抉れる透明さを
引き金はこの雨とギムレット
今も 触れる ふたり愛しい記憶
取り違えた言葉の意味
歩み寄りは映し鏡
離れたはず手と心
でも尽きない自分だけ
次第に落ちてく酔いの中
鈍く響き渡たるのは思慕の音
穢れた純粋さを
鮮やかなあの声とシガレット
今は 沁みる ひとり哀しい滴
傘の下の出会いに 歩幅 背丈 横顔 香り
繁く通った定位置 話し方でさえ
深く突き刺さるような鋭さと
抉れる透明さを
引き金はこの雨とギムレット
今も 触れる ふたり愛しい記憶
狂おしいほどの愛と醜さと
グラスに空虚を
戻れないあの夢とイノセント
未だ 浸る ひとり臆面も無く