投稿作品4作品
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町を駆け抜ける少年たちの足音と大きな声。
その後ろを、赤髪のツインテールを大きく揺らしながら必死でついて行った。
「待つッス!! 私を置いてくなッス!!!」
幼い頃から、この口癖と性格はすでに出来上がっていたようなものだ。同い年の女の子が花を手に取り花冠を作る一方で、私は木の枝を手に取り男の子と戦士...アネさんと慕う理由
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ルシフェニア国王、アルスⅠ世が亡くなってから数週間後の事だった。
六歳になったばかりの王女リリアンヌと王子アレクシル。大人たちが後継者の話し合いをしてる中で、二人は反抗期らしきものを迎えていた。勝手に城を抜け出し、勉学や稽古は平気でさぼり、連日夜更かしばかりする。ただでさえ城の公務で疲労がたまって...真夜中のお化け屋敷
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「んもおおおおお!!!!!」
ある日の昼間、修道院内のキッチンから突如響いた。ちなみに、これは牛の鳴き声なんかではない。あまりにもムカついた私の断末魔だ。(そもそもキッチンに牛なんかいたらそっちの方が大惨事だが)
「リン?!どうしたの?!」
私の叫び声を聞いたであろう友人が血相変えてやって来た。...Brioche
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ルシフェニア王国から離れた場所に位置する“千年樹の森”。修道院での仕事を終えた私は、誰にも告げずこの場所へとやって来た。
森の中にある大きな千年樹と、以前よりも少しだけ伸びた苗木。どこも変わりない様子に、私はほっと胸を撫で下ろした。
クラリスの話によると、この苗木の正体は、大地神エルドの後継者で...悪ノ娘と魔道士ノ弟子