タグ「小説」のついた投稿作品一覧(4)
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「夢のない毎日を続けてたって、無意味なだけだ。」
ご主人は、いつだったかそう言いましたね。
求めるものも目的もない人生ほど、つまらないものはない――。
成程、ご主人の言うことは正論でしょう。
でも、非現実に現実逃避するその姿は、前言に相応しくない。
何か、受け入れ難い現実から目を逸らしているような…...人造エネミー
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君は、知らないよね。
知るわけが、ないんだ。
だって、君を失って、幸せそうな顔で儚くなっていく君の灰を目にした後で――
――僕は、今更になって気付いたんだから。
君が、『好きだ』って。
そう…いつだったかな。
君が少年として駆け回ることのできた、最後の夏。
君は「大人にはなりたくない。子供のまま、自...地球最後の告白を
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ぐっすり眠って、気持ち良く起きた、朝。
早寝をしたために、早起きしてしまう。
目覚めてまず思うのは、君のこと。
だって、そうでしょ?
今日は君に会えるんだから。
小さく伸びをして、ベッドを出る。
洗面台にて洗顔し、目の前の鏡に目を向ける。
昨日、思い切って前髪を切った。
長い前髪はピンで止められてい...メルト
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とある都市で最も栄えていた街、ティクリード。
商人は活発に商売をし、港では貿易船が行き来し、子供達は元気に街中を駆け回る。
そんな活気的であった街で、建物が少ない瓦礫の一角の紅色の壁に『時忘人』である僕――アゾレスは凭れかかっていた。
『時忘人』というのは昔友人につけられたもので、時間を忘れたように...時忘人