タグ「グリム童話」のついた投稿作品一覧(5)
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むかしむかしの物語
二千年も前のこと
美しい女と金持ちがいた
女は男の妻になり
けれど子どもは生まれない
夜も昼も女は祈り
やがて冬になりました
女はねずの木の下に立ち
林檎の皮を剥きました
指を切って血が落ちて...グリム童話集より「ねずの木の話」―血のように、雪のように
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くるみをひとつ割れば
太陽のようにさんさん輝く綺麗なドレス
貴女、それがほしいなら
私に一晩貴女の夫を貸してください
ああけれども愛しい方は
一晩ずっと眠りこけ!
聞いて聞いて、愛しい方
私が貴方の本当の花嫁
愛しい貴方に会いに来た!
くるみをひとつ割れば...グリム童話集より「くるみのドレス」(仮)
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羊飼いさん 羊飼いさん
どうしてあんたは陽気に
羊飼いさん 羊飼いさん
どうして笛を吹きなさる
私は涙がとまらない
これが泣かずにいられ ようか
羊飼いさん 羊飼いさん
あんたはどうして陽気に
羊飼いさん 羊飼いさん
どうして 笛を 吹きなさる...グリム童話集より「唄う骨」
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この僕があなたにしてあげること
一体どれだけあるのでしょう
僕のてのひらはあなたの手を包むにも小さくて
僕の身体はあなたを抱きしめるには小さすぎて
太陽のようにひかるドレスも
月のようにかがやくドレスも
星のようにぴかぴかひかるドレスもないけど
ただこの歌声をとどけましょう
僕にできる全てのこと...おとぎばなしのように
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ぼくのかあさんが ぼくを ころし
ぼくのとうさんが ぼくを たべた
ある日かあさんが
ぼくを呼んで
ぼくの首を おとしてしまい
ぼくの いもうとに 罪をきせて
ぼくのにくを きり刻んで
ぼくで スープを 作りました
いもうとはスープに涙をおとし
かあさんはスープをお皿にいれて...グリム童話集より「ねずの木のはなし」