星野ニコ

A
さっきまで楽しかったはずなのに
たった一言で目の前真っ暗
B
ちょっと待って今の話
アタシ全然知らないんだけど
S
この間行ったあのお店
よかったねなんて言われても
まったく身に覚えがないの...

Ｓ
終わったはずの恋が
勝手に動き出そうとしてる
もうやめてよ　その笑顔
私に向けないで
Ａ
諦めたつもりだった
あの日　君の隣奪われた時に
忘れられたはずだった
君の　笑い声も...

Ａ
柔らかな風がカーテンを膨らませた
窓の外　はしゃぐ君を見つめてる
なんだか私まで楽しくなって
ほら　笑顔こぼれた
Ｂ
昨日君の夢を見たよ
やっぱり笑ってたよ
だから今日の私は
なんだか幸せなんだ...

ずっと言えなかった言葉が一つ
風に吹かれて飛んでった
そのまま遠くどこかにいる
君に届けばいいな
もしもなんて考えてはみるけど
もうどうにもならなくて
風に舞った言葉たちは二度と返ってこない
あの日の君の後ろ姿
今も追いかけられないまま
私は一人　離れていく...

携帯のディスプレイ　浮かぶ文字
口の中で転がして　飲み込んだ
喉は潤わない
「愛してる」なんて馬鹿げた言葉
あなたは信じてるの？
真っ暗な部屋に押し込んで
一緒に遊んであげる
大好きなおままごと
最期まで終わらない
あたしの唇　紡ぐ言葉...

Ｓ(リンレン)
これは運命なんだって
君が大切なんだって
叫び続けるよ
ずっとずっと
Ａ(リン)
隣歩く君の横顔
覗き込んだら目が合った
二人で笑って
手を繋いだ...

雨粒　足音　君の声
悲しみ　憂い　自己満足
温いミルクティー
お砂糖ひとさじ
いつだって　そう
泣きたいときに　涙は出ない
曇った窓を指でなぞる
描き出したのは歪なハート
ゆっくりと流れた雫は
音も立てずに沈んでいく...

どうしよう　まさか
こんなはずじゃなかった
ちょっとした駆け引き
それが今じゃ君に夢中
あなたのすべてにあたしが反応している
アドレナリン全開なの
見つめて　触って　抱きしめて
そんな妄想　引き連れて
あなたと擬似恋愛
もう止められないわ...

気が付けば　白い部屋
まっさらな私 鼓動は聞こえない
広がるのは たくさんのトビラ
ノックをしても　返事は聞こえない
触れたドアノブは冷たく
不安ばかり募る
だけどこのトビラを開けなくちゃ
いろんなトビラが私を囲んでる
赤青黄色
引き戸に押し戸...

夜空に一番星　見上げてため息
恋は儚し　あなたは嘘吐き
いつまでたっても醒めない夢は
遠くどこかで一人ぼっち
砂漠の星で一人遊び
掬い上げた砂は　掌すり抜けて
残ったのは虚しさだけ
流れる星に願いを込めて
さぁ　何を祈ろう
空を落ちる星屑は...

小さな 結び目 ほどいて
君に もしもし お元気?
お出掛け 予定を立てましょう
雨降り お日様 おやすみ
君に もしもし どうする？
残念 お出掛け また今度
春 夏 秋 冬 いつも一緒
君の笑顔 大好きだ！
いちにのさんしで 飛び出そう
真っ赤な糸が繋いでる...

(Ａ)
繋いだ指先
溶けていく心
小さな傷口
埋めていく愛情
あなたの唇
染まってく白く
私の両手は
輪郭なぞって
(Ｂ)...

サクラ、クラクラ
ヒラヒラと
舞う花びらに
酔いしれる
「今日で最後だね」
いつもの通学路
笑いながら
君が呟く
だから
「そうだね」...

真っ赤な夕日
眩しくて目を逸らした
長く長く伸びた影が
君のところまで
遠くで誰かが呼んでいる
その声に振り向けば
懐かしい景色
いち、にの、さん、で手を振って
さぁ　お別れだ
寂しくなんてないよ...

煙草の煙を見るたびに
フラッシュバック
体に悪い空気を肺いっぱいに吸い込んで
そのまま呼吸を止めてみた
フラッシュバック
フラッシュバック
チカチカ回る星空と
一緒にクルクル回ってみたら
あら　おもしろい
あっという間に新世界...

暗い部屋の中
ポツリと呟いた別れの言葉
薄汚れた壁に吸い込まれた
君がここにいたことが
まるで夢のようで
何度も頬を抓っては
確かめてた
痛い　痛い
なのに君はもういない
「さよなら」さえ言えなくて...