作品一覧
その他
オンガク
風が吹いていた。それは真冬にしては穏やかな風だった。ひんやりと冷たい割に吹き付けるような強さがなかった。長い石の階段を駆け上っていく私の火照った体には丁度良い。 「今日の景色はどうかな」 人気のない丘の上にある公園に、私より先に到着したカイトはそう言った。年明けからしばらく経ち、学校帰りに私達はいつ...
柊