さりー

新しい靴を買った
ひとりで近所を散歩する
この町が好きなのは
私のこと 知ってる人がいないから
叶わない恋をしてた
プミラを枯らしてしまった
朝に泣いても
昼にあくびをしても
夕方に空き缶を拾っても
夜に思い出を...

ああ 毎日嫌なことばっかで
ああ 楽しいことなんかひとつもないけど
君のことを考えてれば
僕はそれだけでいいんだ
窓際の席で君が時折見せる
どこか寂しげな表情を
ああ、きっと僕だけが知ってる
君は僕の名前も知らないだろうけど
君が大好きさBABY
どこにも行かないでいて...

ねえ ほら 声を聴かせて
あなたの声が好きよ
ねえ また 歌を歌って
上手じゃなくていいから
Oh, let me see...
Let me see...
嗚呼 Let me see...
あなたの口癖は Let me see...
何か言おうとする前に
えっとね…って囁くのが好き...

もうじき春が来るね
そしたら花が咲くね
君が好きなのは杏の花
いい香りがするんだってね
僕は春先にはいつも
鼻が詰まっているから
花の香りもよくわからない
目に見える君がいいのさ
もうじき夜が来るね
明けたら朝が来るね...

君はもう知っているだろうか
この世で一番の
宝物の見つけ方を
教科書には書いてない
誰に聞いたってわからないさ
正解はないのだから
今その胸に手を当てて
心の声を聴けばいい
ただね それだけだよ
どうか覚えていて...

ねえ どうか忘れてね
私のこと 綺麗さっぱり
いろいろと考えたけど
たぶんそれが一番だと思うの
望遠鏡を買ったの
遠くの星が綺麗に見えるんだってさ
少しね 値は張ったけど
今の私にはなんてことはないの
私がいなくなったら
夜空を覗いて探してね...

想い出をぺろり
平らげたら
あなたのことを
忘れられるかな
想い出をくしゃり
握りつぶせば
わたしはひとりきり
眠れるかな
想い出をごくり
飲み込んだら...

かじかむ指先
さまよう宙
吸い込む空気は
鉛の味
ゆらめく憧れ
かさばる頃
浮かんだあなたの
夢 まぼろし
遠ざかる陽だまりの記憶
ゆりかごの中に隠した嘘...