柳 叶斗

笑顔の真裏で泣いてた つらいくらい
花なんて似合わないわ 添えないで
なんて無様な 悲劇じゃないのよ
錆びたカミキリが光ったの もう戻れないと
ゴミ箱に切り捨てた病(やまい)は死んでいた

荒れた部屋を見た君は僕を殴る
其の場限りの感情のままに
「荒らしたのは君だろう？」
君は僕より弱いから
別に痛くないけど
僕より弱い君は痛いだろう
割れた窓を見た君は僕を蹴る
其の場凌ぎの感情のままに
「割ったのは君だろう？」
僕は君より強いから...

今は映らぬブラウン管
白黒画面の小さなゲーム
埃まみれの電子呼鈴
錆付いた壁は一蹴で崩れた
古いものは忘れ去られるものだと
名も思い出せぬ彼が言っていた
細部まで映る液晶
色鮮やかで大きなゲーム
ポケットの中の携帯電話
ガラス張りの壁は割れなかった...

綺麗な綺麗な綺麗な君
いくら恋焦がれても汚せないよ
その微笑みも真っ白な肌も
僕にとって君は天使なんだ
汚れなんて知らなくていいよ
永遠にそのままでいてよ
僕も君を汚さないから
今日も優しく微笑む君
でも何か違った
綺麗な綺麗な綺麗な君...

聡い貴方でも理解出来ないのね
でも仕方なかったのよ
行動で示すしかなかったのよ
貴方を愛せて幸せだわ
壊してしまったの、貴方
もう元には戻らないわ
噫、そんなに泣かないで
言葉は意味が無いと言うのに
きっと細菌に蝕まれたのね
不治の病に罹ったのよ...