日常を染める風の声
ありふれた場所傍に響く
それが昨日と変わる度に
いつまでも耳を傾けていた
最初に使うのはどれも同じ
思い出募る恥ずかしげな感情
くすぐったいと例えるけど
ホントに言葉が可笑しかった
手を見つめて
胸を近づけて
呼吸を手懐けて
今すぐに音を生む場所がある
歌を。僕が生きてゆくその理由を
微かな鼓動に感じながら
風を、人を、意志を、囁きを
確かな言葉に託していた
日常を止める時の瀬に
一人で泣いた幼い記憶
誰も知らない歌がある
壊して忘れたい歌がある
降り続く雨の中を
傘もなく走るような
温もりを求めてしがみついて
落とした分の涙も与えてくれる、歌を
まだ知らないその声は
僕の声と換わるように飛んできた
もっと君の声が聞きたくて
それならこんな歌がいいのかな
降り注ぐ雨はやがて
明日を差す光となる
争いの終わりに辿り着いた
探した分の笑顔も与えてくれる、歌を
歌を。僕が生きてくその理由を
微かな鼓動に感じながら
風を、人を、意志を、囁きを
確かな言葉に託して
歌おう。彼方に伝う歌を
未来へ届く大きな声で
何十年、何百年のその先も
隣に歌がありますように
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