引く 潮(うしお) 浸(ひた)して
繋ぐ 岸辺の 熱は 冷めず

囃子(はやし) 集(つど)う 田植えの 
季節は 過ぎ
蝶追う 娘の春は 廻(めぐ)る

ざわめく 海 から 
浜に 散った
白い 泡沫(うたかた)
願い 濯(そそ)ぐ 音 
虹色 積む 小さな 貝殻 夢と似ていて
波際(なみぎわ) 寄せる その 欠片 見て た

北 風に向かう 
待つ船 見えぬ 岸辺に 
積もる風 聞き 尋ねる 声
遠い 遠い 話 して
波紡いだ 海 慰めが 深い 底に 届くなら
恋 歌


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

海風に紡ぐ


(解釈)
船出する男を見送る娘、
その気持ちは船が見えなくなっても、ずっと熱く残る。

時は田植えの季節を過ぎ、それでも
蝶を追う様なかわいらしい娘の思慕は、いつまでも続いた。

ある日、浜に男の舟の残骸が流れてきた。
娘の、男の無事を願う祈りは届かなかった。
残骸と共に流れ着いた美しい貝殻は、かつての男との日々を思い浮かばせて、
娘は貝殻を大事に抱いて、いつまでも浜辺を眺めていた。

北風が吹く頃、浜辺には、来るわけも無い男の帰りを待つ娘の姿があった。
娘は、風に男のことを聞き、遠い海の話を尋ねる。
ただ波の、寄せては引く音と、潮風の香りの中、
娘は海の底に消えた男へ、恋を歌い続けた。

閲覧数:205

投稿日:2012/11/14 18:36:09

文字数:241文字

カテゴリ:歌詞

クリップボードにコピーしました