寒い雪が舞って
目の前が見えなくなる
傍に誰もいないのは分かっていることでしょう?と
誰かが傍で呟く
誰もいないのに呟く
目を閉じて何も見ずに
どこまでも雪は降るでしょう
あの日最後に見たあの赤いものは
手にこびり付いて
落とせずに落とす気も無いのに
雪で誤魔化し
白く濁ったこの色
欲しいものは何?と
誰かがそう尋ねてくる
望むものは皆全て手に入れられると信じた
暖かい場所に行きたい
唯日差しを浴びたい
それでも目を開ければ
体には赤が染み付く
あの日この手を掴んだ冷たい手が
両目を隠して
溢れ出す雫も吸い込んで
赤に溶け込み
淡く濁ったこの色
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