朝日の眩しさで目を覚ます。
昨日の夜カーテンを閉めるのを忘れて寝ていたらしい。
まぁここは3階だからよっぽどのチャレンジャーか心霊現象でも起きない限り恐怖を味わう事もないだろう。
暫くベットの上でボーッとした後軽く延びをすると立ち上がりテレビの電源をいれてその足で洗面器へと向かう。
中身が殆ど無いチューブから歯みがき粉を無理やり押し出して口にくわえる。
リビングの方からはニュースのコメンテーターが如何にも私の言うことが全て正しいとでも言うかのように自信に満ちた声で偉そうに何かくっちゃべっている声が聞こえてくる。
「偉そうに言うならそんなとこでふんぞり返ってないで別の行動起こせっての。」
そう呟きながらチャンネルを変えると今度は知らないアイドルが新番組の宣伝をしていた。
人気みたいだがあまりテレビは見ないので知らない。
朝飯のパンを食しつつ制服に袖を通し、テレビに電源を消すと部屋を後にした。
「ふぁ~」
欠伸が止まらない。
寝足りないのだろうか、それとも学校に行くと言う行為に対する拒絶反応だろうか。
どちらにしろ眠い、休んじまうか・・・・・
「お~い俊!」
なんか俺の名前呼んでる気がするけど気のせいだろう。
「俊ってば!」
因みにフルネームは坂嶺俊(さかみねしゅん)高校2年生。
父はサラリーマンで母は専業主婦、兄が一人、妹と弟が一人ずつ。
高校入学を期に独り暮らしをしている普通の学生だ。
「おいこら聞こえてんのか!!?」
「いでっ!!」
突然頭がを殴られた。
「何度も呼んでんのに無視すんなよ。」
どうやら殴ったのはクラスメイトの浅井賢一だった。
「だからって殴るこたねぇだろ、学校の屋上から突き落とすぞ。」
「殴ったのはわりぃけどそれ割に合わなくねぇか?」
「俺の後頭部とお前の命を一緒にするな。」
「うん確かに一緒にすべきものじゃないね・・・・・多分お前と俺じゃ不等号が逆を指すだろうけど・・・・・」
「で、何か用?お前たしか学校辞めただろ。」
「辞めてねぇよ、俺がいつなんの理由で辞めたんだよ!」
「そんなの自分が一番知ってんだろ。」
「全くもって見に覚えがないから聞いたんだが・・・・・」
「・・・・・さ~今日の昼飯は何にするかね・・・・・」
自分でふっといてなんだがネタ切れなのではぐらかすことにした。
「だったら振るなよ・・・・・」
ケンはそう言ってため息をついた。
てかモノローグにまでつっこんでくんなよ、てめぇはエスパーか・・・・・
「そういやお前今日の放課後暇か?」
「暇だけどお前と何かする暇はない。」
「あの~今さらですがなんで俺こんなに扱いひどいわけ?」
キャラ作りの為に決まってんだろ、ほら物語に一人はいるだろ?
どうしようもなく変態だったり、バカだったり、いじられるために生まれてきたようなキャラだったりするやつが。
そこで優しい俺がそのすべてを兼ね備えたクズとして定着させてやろうと思ったんだよ。
「勝手に人のキャラつくろうとせんでいいわ!!まぁ確かに他人より女体に興味あるし、成績も逆から数えたほうが早いいし、主にお前から弄られてるけどよぉ・・・・・」
ほれ言わんこっちゃない、どうしようもないじゃねぇか・・・・・
てかだからなんでモノローグにまでツッコミいれてんだよ。
「まぁいい、暇ならちょっと付き合えよ。」
「何くれる?」
「何かやらないと遊んでくれないような関係なのか俺たちは?」
「はは、今更だな!」
「爽やかに肯定してんじゃねぇ!!」
まぁ朝は、と言うか俺の日常はこんな感じ。
特に何もなく、同じような事の繰り返し。
多分これからもそんな平和な時が続くんだろう。
「おい俊、行くぞ。」
放課後、帰ろうとしたところをケンに呼び止められた。
正直朝の話なんざ完全に忘れていた。
「あぁ」
「お前今俺の顔見て思い出しただろ。」
「バカな、貴様ごときと一緒にするなよ。」
「まぁいいや、行こうぜ。」
一体どこに行くんだよ。
「服見に行くの付き合ってくれ。」
三回やるのはお約束。
そういう訳で現在市街地の方まで足を伸ばしてきてるんだが・・・・・
あれから三時間、店にくるまでに30分くらいと見ても2時間30分。
女かこいつは・・・・・
二件しか回ってないのにあれじゃないこれじゃいとあっち行ったりこっち行ったり・・・・・
「おいまだかよ・・・・・」
「おぉ、すまんすまん!」
と言いつつも結局その後もだらだらと買い物を続け、帰る頃には夜8時を回超えていた。
「いやぁ、良い買い物した!」
そりゃ、あんだけ待たされて収穫がいまいちなんか言ってたら潰してるとこだ・・・・・
「そんな顔すんなよ、今度飯おごるからさ!」
「まぁ期待せずに待ってるよ」
「もうちょい期待しろよ。」
「へいへい、期待してる期待してる」
そう言いながら携帯で時間を確認した。
8時25分
そろそろ今日が終わる。
家に帰って飯を食ったら風呂に入って寝る、毎日繰り返される面白味のない生活だ。
卒業して大学に入ろうが就職しようが変わらないだろう無機質な生活。
別にそんな生活を嫌ってる訳じゃない、学校でケンみたいなアホの話を聞くのは嫌いじゃないし、無機質な生活も根暗な俺には性に合っている。
そう、続くと思ってるんじゃない、俺はこんな生活がいつまでも続けばいいと思ってる。
そんな俺の願望は簡単に崩れた。
「君は神の存在を信じるかい?」
これが俺と詩麒との出会いだった・・・・・
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