揺らぎはじめた現実の狭間、僕はただ立ち尽くして
よどみ渦巻く人波に溶けて、いく粒かの泡になる

もがきながら深く息を吸って、潰れた肺を満たす
煤けた灰色の空気と絶望で

私は夢の中であなたの声を聞いた
ここはどこなの？

君はどこにいるの？

ガラス細工の子宮に眠って
あなたを待つの

歩き出すんだ
かすかな風を探して

鋼鉄の殻、その外には
誰も知らない空がある

君の手を引いて、あの階段をのぼって
本物の風を感じるのさ　いつの日か

崩れはじめた現実の裂け目、僕はただ立ち尽くして
剥がれ落ちる街並の虚飾、ひとかけらの瓦礫さ

震えながら長く息を吐いて、錆びた心の弁を開く
かすかに聞こえる君の吐息探して

私の背中には片方だけの翼
ここはどこなの？

君はどこにいるの？

純粋なオイルの羊水に浮かんで
あなたを待つの

歩き出すんだ
わずかな光見つめて

鋼鉄の殻、その外には
誰も知らない空がある

君の手を引いて、あの階段をのぼって
本物の光感じるのさ　いつの日かきっと

深く深く埋もれゆく
在りし日の温もり
電気仕掛けの記憶は儚い幻
過去も未来も現在もなく
時間すら眠る、ここは空気の底

歩き出すんだ
真実の扉めざして

鋼鉄の殻、その外には
誰も知らない空がある

君の手を引いて、この階段をのぼって
本物の風を感じるのさ　さあ行こう

走り出すんだ
大きく息を吸って

さあ飛ぶんだ、その翼で
本当の空へ