前回の、嵐のような出来事から数日後。
バンの研究所には、再びいつものような雰囲気が戻っていた。・・・いつものように。
「この頃、妙に暑いよなー」
いつもは長袖のアカイトも、最近は半袖の服を着ている。
「そうだな。っていうか、半袖じゃなくて袖無しのやつを着たらどうだ?」
そう言うバンの服装は、いつもの通りの白衣姿。つまり、長袖である。
「そうすれば目の保養になるのにな?」
「・・・」
言いたい放題のバンを放っておき、携帯をいじるアカイト。
「・・・・どうした?私のこと嫌いになったのか?」
少し不安そうにアカイトの顔をのぞき込む。
「ん、いや別に。・・・今日遊びに来るって兄妹から、メール来てないか確認しただけ」
そう言って携帯をぱたんと閉じるアカイト。
「また来るのか。今度で、一体何人なんだ?」
「多分20人は超えてると思うな」
「・・・すごいな。ここまで来ると、一種の感動を覚える」
「そうだなー」
などと、バンとアカイトが話していると、
「こんにちふわー、・・・あれ?今日はまだみんな来てないんですか」
欠伸をしながら入り口のドアを開けて入って来た男の子は、マツキ。ほんとに眠そうな見た目が可愛いが、実はしっかり者である。
「まだみんな来てないんだよなー」
「今日はマツキ君一人か。珍しいな」
「実は、お二人に見てもらいたいものがあるんです」
そう言って、ポケットから何かを取り出すマツキ。
「・・・何?」
「・・・これです」
差し出されたものは、一枚の写真だった。
「・・・・・なんか、どこかで見覚えが・・・って、あれ?この人、グルトじゃねーか!?」
「しかもこの女の人は・・・あの博士じゃないのか。確か1年以上も前に追放された学者だったはずだが・・・」
その写真に2人は大きくリアクションする。
「グルトさんのものでしょうか?数日前のあのことがあった帰り道に、これが落ちてるのを見つけまして、拾っておいたんです」
「そうだな・・・。もうあの事件は終わったんだ。今更、どうこうできる問題じゃないからな、グルトにあとで渡しとけ」
「分かりました」
その時、アカイトのポケットから着信音と思われる音が響いた。
「・・・もしもし」
アカイトは、携帯を取り出して電話に出る。
「・・・・・ああ、今ショッピングモール通りにいるのか。じゃ、そこから北駅の方へ歩いて、カフェ・カフェの前を通ったら、あとは∞交差点を右に曲がって、あとはまっすぐ歩いてくれば辿り着けるからな。・・・分かった。また分からなくなったら電話でもメールでもして来い。・・・・・じゃあな」
という会話をして、アカイトは携帯をまたぱたんと閉じる。
「詳しいんですね、この町のこと」
マツキが呟く。
「そうだな。この町に住んだのが、3年前だからな。今でも住んでるから、多分そこらへんのやつよりかは、かなり詳しいはずだぜ・・・なんてな」
冗談めくように、苦笑いでアカイトは言った。
「・・・私も負けてはいないんだけどな?」
「・・・・確かバンは8年以上も前から、ここに住んでいるんだよな。恐れ入るぜ」
「二人共すごいですね」
アカイトとバンの会話の内容に、マツキは目を丸くさせて言うのだった。

数分後。
「こんにちは~、今日はムウさんとモコさんと一緒に来ました~~♪」
そう言って入り口のドアを開けてきたのは、ふわふわな雰囲気がもはや定評になりつつあるフワ。天使のオーラ漂いまくりの女の子である。
「今日はバイトも無いので来ました~、え~と、今日で2回目の登場ですね~~♪」
フワとキャラがかぶっているよと、誰かから言われそうな牛娘の名前は、ムウ。牛ゆえなのか異様に胸が・・・こほん。
「こんにちは、また来てしまいました。・・・別に、誰かさんのために来ている訳じゃないんですよ・・・絶対です」
最近ツンデレ傾向に傾きつつある、もこもこしている幼い顔立ちの少女は、モコ。なにやらロリコンの人たちに受けそうな容姿である。
「・・・なんか眠気が吹っ飛びますよね」
個性的過ぎる3人に、マツキは思わず呟く。
「そうだなー、何か人気とかありそうだもんなー。・・・あ、俺のマスターも、ちょっとした人気があるからな・・・3人とまではいかないけどさ」
「私、アカイトのマスター見たことないぞ?今度会ってみたいものだ」
「じゃ、マスターに話しとく・・・マツキも来るか?」
「・・・はい!」
心なしか嬉しそうなマツキ。
「・・・・言っとくけど、そんなに可愛くないからな?変に期待すんなよ。それに、・・・・・・」
アカイトは背中に突き刺さる視線を感じて、言葉を止める。
「アカイトさんのマスターですか~?私も、会ってみたいです~~」
「私もですよ~」
「2人が言うんなら、私もっ!」
「・・・・はぁ、やっぱりこういう展開になるのか・・・ま、マスターも会ってみたいとか言ってたからな、多少大人数になっても大丈夫だと思うけどな」
「・・・ならいっそ、アカイトのマスターをここへ呼んだらどうだ?・・・ほら、昨日会いにいったカイトと2人で」
というバンの言葉に、
「じゃあ、そうするか」
アカイトは頷いたのだった。



それから、みんながそろったのは、あれから30分くらい後のことだった。
後半に続く!

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【亜種コラボ小説】 いつもの雰囲気と新たな前触れと今回は途中まで 【前半】

こんにちは!もごもご犬ですこんばんは!
何もしてないのにおなかはすくものなんだと実感している今日この瞬間です(笑)特に晩御飯の前とかいっつも死にかけているような気が・・・って、どうでもいいですね、すいません!

今回は、前半ということで、新たなキャラの片鱗くらいしか出てきません><
しかも、電話の相手という悲しい設定・・・。
変な役でもいいですと言って下さったマスターさん!後半では絶対取り戻しますので、ご期待下さい!
それでは、こんな小説ですが、楽しんでくれれば幸いです!
また後半でお会いしましょう^^

閲覧数:69

投稿日:2010/06/07 17:55:41

文字数:2,169文字

カテゴリ:小説

クリップボードにコピーしました