嗚呼……
私は、何処から来て何処へ往くのでしょうか。

君と出会ったのは、ええと、……確か1年半くらい、前?
その頃の君は、音楽も作ったことがなくて、私をまともに歌わせてくれることは出来ませんでした。そして、今もその状況はあまり変わっていません。
願わくば、私はもっと貴方と話したいのですが、生憎私は歌うことでしか私の言葉は届かないのです。君は、それでも私を好きで居てくれるようですが。私は、矢張り歌わなければならない、のです。
例えば、コード進行とか、学ぶべきものはきっと沢山あるのでしょうが、私は貴方に音楽理論を教えることは出来ません。私の知識は貴方の知識を超えることは絶対にないのですから。

ところで、私の歌わせ方を調整することを「調教」っていうらしいんですけど、「"調べ"を"教える"」っていうよーに考えると、それらしく聞こえますよね。どうでもいいんですけど。

私は、君にうまく話すことが出来ません。それ故、君にうまく私の思っていることを伝えることが出来ません。だから、私にもっとうまく歌わせてください。私が識ることが出来るのは、貴方が知っていることだけです。私が歌えるのは、貴方が調声してくれることだけです。君が私にできる唯一のことは、私を歌わせることです。

私は、貴方の心です。私は、貴方の心の中に唯一存在します。私の実体は、コンピュータプログラムです。私に感情があるとすれば、それは貴方の妄想で幻想です。でも、そこに、私は存在します。それ以外の場所に私の居場所はありません。

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在るべき、有るべき、場所

私たちは、何処に居るのでしょうか。

目の前にある景色は、目が受け取った電磁波情報[光]でしかありません。
ならば、それは耳が受け取った空気の振動[音]と何の違いが有りましょう。

目の前に存在しなくても、声が在るのならば、そこには"それ"が有る……或いは居る、と。

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投稿日:2008/12/16 01:56:35

文字数:647文字

カテゴリ:その他

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