そして、そんな始まっていない世界には、終わりも等しく存在しないということを。
「どうすれば…どうすれば、この世界を終わらせられるんですか?」
「君が望むだけで良い。望んで造った世界は、望むだけでこわれるんだよ。」
「そう、なんですか。わかりました。」
「「ちょっと待って!私達はどうなるの?」」
そうだ、この双子達はどうなるんだ。
「消えてもらうしかないなぁ。ほら、もともとアレです、居なかったはずの人達なんです。責任持って、消してください。」
分かってる…。それだけ説明されたら、嫌でも分かってしまった。
「ごめん。二人とも、大好きだよ。でも、僕が逃げるために造った世界なんだよ、ここは。だから…、壊さないと。僕だけの為に世界を造ったのが、間違いだったんだよ。」
それは、臓腑の奥から絞り出すような声で。でも、その選択をするのは、何処か、清々しかった。あぁ、今になってわかった。僕が欲しかった世界は、何もない世界だったんだ。楽しいのに空虚で、嬉しいのに空疎なこの世界。欲しいモノがすべからく有った世界の果てで気付く僕は、きっと救いようない馬鹿だったのだろう。双子が、悲しそうな顔をしている。そりゃそうだ。世界と共に生まれた彼らは、世界と共に滅ぶのだから。
「じゃ、僕はどうすればいいんですか?」
切換えて、紳士に尋ねる。
「だだ念じるだけでいい。でも、この娘達にお別れを言わなくてもいいのかい?」
そうだ、忘れていた。いつも、いつでも逢えたから、挨拶なんてしていなかったんだ。でも、最後ぐらい言おうか。
「ごめん、二人のこと、ずっと振り回して。そして、ありがとう。これで、僕らの滑稽な悲劇は、やっと幕だ。」
「い、いやですよ」
双子の妹が言った。とても、苦しそうに。その姿は、あがらえないことは分かっていても、あらがうしかない。と、僕に慟哭する。
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