『伝説書物』
この世の仕組みが描かれた
本を私はふと拾った
後に気付いたその書の正体
それは伝説の百科録だった
何も知らない私は
光の速さで読み漁った
知識は一気に流れ込み
感覚が次第に麻痺していった
本当は見開いてはいけなかった
けれども知的好奇心は止まらない
恐れを知らずにただ知り尽くす
けれども知らずにはいられない
例え咎められようとも
禁断の書は世に知れ渡り
その頃から世界は壊れ始めた
だがしかし歴史はいつも
崩壊と再構築の繰り返し
今までの常識は覆され
新たに生まれた旧非常識
隠れていた本能は動き出す
知能を凌駕してまでも
写本化された書物は行き渡り
混沌と驚愕を生産させるばかり
人体の隅々から智が血が騒ぎ
一方では悲しみ憎しみ愛し始め
また一方においては嫌悪感を抱く
未知の異世界に存在する
記憶の螺旋階段を登ってみても
何も思い出せはしない
紙をめくらないかぎり
情報はひとりでには出て来ない
私たちが滅びないよう
生存するための魔法というものは
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