こわしてやろうかと、
本気で思った。
【気まぐれ小説・なな】
「ね、そろそろよくない?」
「何が?」
「俺達」
「それは答えになってません~」
彼女のガードはきっと鉄筋コンクリートよりも硬くて耐熱防火金庫よりも開けにくい。
(こんなに好きなのになぁ)
てか分かってるし気付いてるはずなんだけど何ですか何なんですかこのスルー具合いはイジメか新手のイジメですか。
「おまっ、何度言わせんのよ」
「何度言うのよ」
「何度でも」
「へぇー」
そりゃー凄いやあはははと明らかに棒読みで笑っちゃったりしてどんだけ俺が傷付いてんか知ってんの勘弁してマジで。
「好きデス」
「ふーん」
「付き合って」
「えー」
だってーと今度は寂しそうな笑顔で俺の目を見てきた。
あ、あ、ヤバイよ。
やっぱかわいいなーオイ、はんざいてきだよそれは。
「何、」
「もう大好きな人なくしたくないんだもん」
「……………は、」
えっと待てよ今のどーゆー意味ですかよく分かんなかったから簡単に簡潔に教えてくれないかなお兄さんに。
「だからぁ、」
「……」
「好きな人と付き合うとずっと一緒にいたいと思います…が、」
「……」
「あたしは別れのケーケンが二度もあるんですねー。」
「……」
「すっごく悲しくて泣いちゃう位なので、もうそんな目に遭いたくないんですねー」
……え
え、え、え、つまりそれはあれですよね好きな人との別れがあると辛いから付き合いたくない=俺の事すすすすす。
「あたしってひどいにんげんだよねー」
あはははとまた棒読みに笑っちゃったりしてでも目はさっきよりも悲しげで涙とか出ちゃうんじゃねぇの?って思う位綺麗な声を挙げて。
って思いながら体が先に彼女を抱き締めてた。
「っ………」
「俺、は」
ほんとうに
こわしてやろうかと、
本気で思った。
※俺が君にしてあげられることは何かないのかなぁ。
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