私は、悪い人間なので
涙流す資格などないのです

私は、酷い人間なので
傷つく権利などないのです

私は、人の心わからぬ人間なので
わかってもらいたいなどと
想うことすらおこがましいのです

私は、罪深き人間なので
許しを請うなどしてはいけないのです

あまりに、貴方が眩しく美しい人なので
忘れそうになったのです

自分という人間がどんなに浅ましく
どんなに救いようの無い人間かと言う事を

あまりに貴方の心が澄んで綺麗だったので
忘れそうになったのです

自分という人間がどんなに醜く
どんなに汚れた人間かと言う事を

あぁ・・・こんな私が貴方に触れることなど
許されるはずもなかったと言うのに
私などが貴方を想うなど・・・

忘れそうになったのです

私はただ貴方を穢すことしか
出来ぬ人間だということを

ただ、そっと眺めていれば良かった
気づかれないように息を潜めて

そうすれば
貴方を穢すこともなく

そうすれば
貴方を殺めることもなかったのに・・・