そっと落とした吐息をよせて 瞼を伏せればセピア色
レンズ越しでも伝わる温度 優しくなりたい夜
結び目をほどいて 柔(やわ)く空(そら)に投げた
あの日に見た“いつか” 明日(あす)に仕舞って
空を流れるイロ 見上げたつもりの眼
明日(みらい)さえ
夢に溶けて現(うつつ) 鳥居くぐる茜
五月雨の音でかき消して
どこか迷ったまま 踏み出せずにいる僕の
ただ一つを
ふっと揺らいだ陽炎を焚く 極彩色を打ち棄てて
ガラスの向こうぼやける世界 透明を擦った
結び目固くして 強く海に投げた
あの日に願う“場所” 錆びつく前に
水面(みなも)に映る眼を 覗き込んで微笑(わら)う
昨日(かこ)を溶かしただけ
叶いもしないのに
“いつか”でしかない明日(あした)を
祈るだけはどうか
“いつか” 願ったときのまま
夢に溶けて現(うつつ) 鳥居くぐる茜色(あかね)
五月雨の音(おと)で かき消して
どこか迷ったまま 踏み出せずにいる僕の
ただ一つを
現(うつつ)に救う夢 鳥居くぐる葵色(あおい)
鈴の音(ね)鳴らして 手を取って
どこか迷ったまま やっと踏み出した僕の
ただ一つを
その夜明けに
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