―初めてのキスは涙の味がした



●○●○●○●○●○●○●



冷たい冬の風が頬を掠めた。

「…寒っ……。」

吐いた息で両手を擦った。

「あ、寒い?大丈夫?」

優しく声をかけられた。

「…これくらい大丈夫。」

でも私は、強がって答えた。
優しくされると勘違いしちゃいそうになるから…。

街はイルミネーションがキラキラ輝いている。
凄く綺麗…。



○●○●○●○●○●○●○



今日は私の誕生日だった。
だから、幼馴染みのカイトがお祝いに来てくれた。
そして、プレゼントを買いにきた。
…ドキドキする、この気持ちを抑えながら。



●○●○●○●○●○●○●



「ほら見て、初雪!!」

「ホントだね。」

駅前で寄り添っている二人。
…楽しそう。
カップルなのかな?

キミとあんな風になりたくて編んだ、手編みのマフラー。
どうしたら渡せたんだろう。

「どうした?」

「ん、何でもない。」

また素っ気なく答えてしまった。
…意気地無し。
ただ怖かっただけ。



○●○●○●○●○●○●○



「ほら、手。」

「……え。」

いきなり手を差し出してきた。

「寒いんだろ?」

「う、うん。」

キミの手を握る。
繋がった手があたたかい。
…嬉しい。
でも…もう列車が来る時間。
それが今になって、私を苦しめる。



●○●○●○●○●○●○●



「今日はありがとう。」

「いや、喜んでくれたならいいよ。」

「これ…、大事にするね。」

「ああ。」

「……この手をはなしてよ。」

キミが優しいことは知ってるから。

ありがとう。サヨナラ。
一言だけ言わせて。
今だけ私に勇気を。

「あのね――」

言いかけた唇。
キミとの距離は0。
……今だけは泣いていいよね?
もう言葉はいらない。
お願い…ぎゅっとしていて。



○●○●○●○●○●○●○



―来年の今頃には、どんな私がいて、どんなキミがいるのかな―

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

初めての恋が終わる時

今回は「初めての恋が終わる時」の自己解釈です。
うーん…難しい(^^;

閲覧数:116

投稿日:2011/06/07 22:02:45

文字数:840文字

カテゴリ:小説

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  • 禀菟

    禀菟

    ご意見・ご感想

    なにこれ泣ける…

    ミクちゃん、ものっそい可愛いっす。
    嫁に出してもいいくらい。
    でも出すわけにはいかな((黙れ。

    2011/06/07 23:55:54

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