A
ああ 東京が雨に溶ける匂いと
傘を裂く音 緑青 私は
ああ 黒い土 雨を湛えた器
歩き回る 予感が 割れた
空になって 響いた声 今
S
こんなにもあった互いの言葉を枯らして
喉を詰まらせて 笑った
止むことのなかった君の追憶が尽きたら
底には 一欠片の種
A
ああ 東京は中に包んだ声や
言葉を吐くと 滲んだ
私は 黒い土 遠い昔に枯れた
零れ落ちた 無いを吸った
蹴り飛ばして 転がる夢 なら
S
これほどしかない 心に想いを抱えて
君に悟られない涙を
さよならを吸った心が滲んで黒ずむ
君がここで生きてくれるように
SS
零した空は 青白い光の色
翳した手の 向こうに見えなくなった
君が そっと置いていった
緑のうねりが咲いたここに
僕は昨日言いたかった願いを垂らす
S'
これほどしかない 想いは埋めてしまって
君の世界に花が咲くだろう
さよならを知った心がまた根を伸ばす
いつかまた咲いてくれるように
SS
こんなにもあった互いの言葉を枯らして
喉を詰まらせて 笑った
止むことのなかった君の追憶が尽きたら
底には 一欠片の種
咲くように 咲いてくれるように
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