偶音解離する天園
くるぐる回天と堕落の果て
いつか見たような花と旅路
交響の広がり知らせる
「落下とは無縁」と何かが囁く
「永遠の黎明」と想う頂道の上に
空の戸へ宵の初音 縁成の暗闇をまとう子
これから先何があろうと 毀るもの非ずという
闇の子が仰っている
何もかもを知るきみには及ばず 何もかもを見るぼくは知りすぎたのさ
地の獄から 明き綺羅星 夢の中から夢へと歩き
今 蓮の花と見紛う 鍵抱く子を憩わす
宵闇がまた稟告する 河の戸を越えた昇華の庭へと
暦日が無数に並び 無数の扉を指し示す
落日は遠く
重なる瓦礫の路を
暮れたように下がりゆく隧道の中に在るとされる
広遠の花園に憩うよ
中空の街 天涯にあり
あらゆるものが扉の鍵を持つ
この反転には汚穢河川に流る平らく夢
暁 霙た華の園
落日だ
落日が
落日がくる
億万に枯れる色図舞う
至極に反響 弓に沿う
天道の子が呪詛を連ね
負う徒浴び経巻に痛れり
揖斐の底園に終わしませり
群れが押寄せる 群れが殻のそと
浄化に見紛うしろがね
損壊の渦 かみなりを似た響に帰依る
暦日 涅槃をみせるように扉を開くよ
昇華の庭に雪を降らす回天と堕落の果て
扉が閉じる
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