樫の揺り椅子 眠る君
薄い唇 伝う唾液(みず)
白い首筋 咲いた花(あざ)
僕と君との 《契りの証》(エンゲージ)
心配せずとも もう直ぐに
微睡む世界を 壊してあげる
あいつじゃ無くて 此の僕が
《死の弟》(ヒュプノス)だって 殺してあげる
窪んだ眼窩に Glass-Eye(グラスアイ)
変色(かわ)った素肌に 薬品を
朽ち行く心臓(こころ)に 僕の血液(ち)を
目覚めて御出でよ 僕の《御姫様》(ピノッキィナ)
ゆるり瞼が 見開いて
瑠璃色硝子 とても似合うね
昏い二人の この地下室(へや)で
可愛い君を 一生愛でよう
僕だけの《御姫様》(ピノッキィナ)
物を云えない 君の口
僕の名前を 呼んでくれ
まだまだ寝惚けて いるのかい?
あいつじゃなくて 此の僕に
笑顔を向けては くれないのかい?
硝子の瞳は 何処を向く?
真白の素肌に 触れて良い?
違った心は 戻らない?
こっちを向いてよ 僕の《御姫様》
ゆらり接吻(くちづけ) せがむ君
きっとあいつを 投影(うつし)てるんだ
僕がいるのに この地下室で……
―硝子を砕こう。
―手脚を落とそう。
―嗚呼でも最初に、
―其の声、塞ごう。
ぐらり世界が 傾いて
お前の首を 強く拉いだ
昏い二人の この地下室で
之をしたのは 何度目何だろう?
僕だけの《御姫様》(ピノッキィナ)
―僕だけの《御姫様》(ピノッキィナ)
―僕だけの《御姫様》(ピノッキィナ)
―《君》は結局――。
《彼女の手には、刃が握られていた。》
脆い木の床 眠る僕
乾く唇 伝う血液(みず)
僕の喉元 空いた穴
《君》は本当は 《誰》だったの?
A1
かしのゆりいす ねむるきみ
うすいくちびる つたうみず
しろいくびすじ さいたあざ
ぼくときみとの えんげーじ
B1
しんぱいせずとも もうすぐに
まどろむせかいを こわしてあげる
あいつじゃなくて このぼくが
ひゅぷのすだって ころしてあげる
C1
くぼんだ がんかに ぐらすあい
かわった すはだに やくひんを
くちゆく こころに ぼくのちを
めざめて おいでよ ぼくのぴのっきぃな
S1
ゆるりまぶたが みひらいて
るりいろがらす とてもにあうね
くらいふたりの このへやで
かわいいきみを いっしょうめでよう
ぼくだけの ぴのっきぃな
A2
ものをいえない きみのくち
ぼくのなまえを よんでくれ
B2
まだまだねぼけて いるのかい
まどろむせかいは こわれたんだよ
あいつじゃなくて このぼくに
えがおをむけては くれないのかい
C2
がらすの ひとみは どこをむく
ましろの すはだに ふれていい
ちがった こころは もどらない
こっちを むいてよ ぼくのぴのっきぃな
S2
ゆらりくちづけ せがむきみ
きっとあいつを うつしてるんだ
ぼくがいるのに このへやで
D1
がらすを くだこう
てあしを おとそう
ああでも さいしょに
そのこえ ふさごう
S2
ぐらりせかいが かたむいて
おまえのくびを つよくひさいだ
くらいふたりの このへやで
これをしたのは なんどめなんだろう
ぼくだけの ぴのっきぃな
E1
ぼくだけの ぴのっきぃな
ぼくだけの ぴのっきぃな
きみは けっきょく
A3
もろいきのゆか ねむるぼく
かわくくちびる つたうみず
ぼくののどもと あいたあな
きみはほんとは だれだったの
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