-Artifical Enemy-
「ご主人! 起きてくださいよ!」
「うう~ん……エネ……あと五分だけ……」
「だめです! 起きないと不愉快なサイレンを24時間流し続けます!!」
「それはやめて……」
そうでもしないとご主人は目を覚まさない。
このパソコンに根付いて数ヶ月。刺激的なことが好きな私はご主人を使ってそーいう鬱憤バラシをしていた。
「……ふああ……今日は八月十一日か?」
「そーですね! 午前十一時三十七分です!」
「うわっ、もう昼なのか……ま、いいか」
「ご主人寝るならサイレン」
「わーったよ! 起きりゃいいんだろ!!」
そう言って寝ぼけナマコで立ち上がり、ご主人は私のいるパソコンの前へとやってきた。
「さてと……ん?」
不意にご主人が窓を覗いたと思ったら――
パリーン!!
「うおっ!! なんだぁ!!」
急に窓が割れた!! ご主人テロリストですか!? テロリストなんですか1?
「うるさいエネちょっと黙ってろ!!」
「はーい」
「……お前が如月伸太郎だな」
そこに気づくと女性が立っていた。女性はハスキーだが少し温もりのある声で尋ねた。
「あ、あのお金ならあるんで……」
実に情けないご主人である。
「違う、別だ」
「あっ、もしかしてダウンロード!? すいませんダウンロードが違法だなんて知らなくて……」
「あっ、この前の18禁の巨乳ロリばかり登場するエロゲーをダウンロードした、あれですか!?」
「そうだけど……そんな大声で言うなよおお……」
「いや、それでもないんだが……」
「はい?」
まさかのご主人の性癖が近所にばらまかれることになっちゃいました。
「なっちゃいましたじゃねーよ! お前が悪いんじゃん!!」
「なんのことでしょう~?」
「シラを切るつもりか……」
「……本題に入っていいか」
あ、はいどうぞ。
「たしか、お前とその……エネは目にまつわるある力を持っていると聞く」
「へえ?」
ご主人明らかに解ってない。
「……そこでだ。メカクシ団に入ってはくれないか?」
「メカクシ団? 慈善団体かなにか?」
「そんな陳腐なもんじゃない。……強いて言うなら組織だよ。レジスタンス」
「で……俺に何をしろ、と?」
「そうだな、もっぱら今は……妹を連れてこい」
「モモのことですか?」
「そうだ。どんなしゅだんを使ってもいいから」
「……わかりました」
――こうしてご主人と私による妹さん奪還(どこから?)計画が始まるのでした。
カゲロウプロジェクト The animation 第四話
artifical enemy
and
next children.
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